5. 安請け合いしてから断る
他人に振るのも一つの手
真面目人間は、人から頼まれたことを断るのが苦手だ。「断ったら相手が困るのではないか」「嫌われるのではないか」と思うと、無理をしてでも引き受けてしまう。
「そういうときは一旦イエスと言って、あとから断るといいですよ」
と内藤氏はアドバイスする。
「一回引き受けてから、そのあと断る。安請け合いをするようですが、そのほうが相手は拒絶されたと思いません。最初に受け入れられれば、そのイメージだけが強く残るので、断られたことはあまり気にならなくなるからです」
たとえば気の進まない飲み会に誘われたときは、間髪入れずに、「いいですね、行きます」と返事をする。そのあとでスケジュール帳を確認し、「あー、この日はちょうど別の予定があって……」と断る。これだけで先方は気分を害することなく、「それなら仕方ないな」と思ってくれる。
「モテる女性は安請け合いが上手。男性から食事に行こうと誘われたら、その気がなくても必ずイエスと言い、あとから『飼ってる猫が下痢なので……』とか、適当な理由で断る。でも男性にしてみれば、一旦受け入れてもらっているので、プライドが傷つかない」(内藤氏)
だが、断れないときもある。
「そんなときは、受け流す。つまり他人に振ればいいんです」
と内藤氏は言う。得意ではない仕事を頼まれたら、「できません」というのではなく、「それなら僕より適任がいますよ」とほかの人を紹介する。そうすれば頼んだ相手もメンツが立つし、仕事を回した人からも感謝されるというわけだ。
あるいは何かのプロジェクトリーダーを任されそうになったら、「いやいや、先輩たちをさしおいて、僕なんかじゃとてもとても。僕はサポートに回りますから」などと言って先輩に振ってしまうという手もある。謙虚なようでいて、ちゃっかり重圧から逃れられるというわけだ。