出世は見込めず、そもそも会社の将来もどうなるやら。これからを考えるだけで、気持ちが滅入ってしまう――。ベストセラー『考えない練習』で読者から圧倒的な支持を得た名僧が、あなたの日頃の迷いに対して、考え方の筋道をわかりやすく説く。

近年の社会状況では「もしも会社が倒産したり、業績の悪化でリストラされたらどうしよう」といった不安がわいてくるのは、致し方ないかもしれません。こうした不安の奥にあるのは当然、「会社が倒産したり、リストラされたら嫌だ」との思いでしょう。その「嫌だ」の本質を探ってみることが、不安な気持ちに対する処方箋になるかと思われます。

まず、会社が倒産したり、リストラされたりすると「自分のこれまでの経験が無駄になってしまう」から「嫌だ」という意識が働くもの。転職するはめになったら、自分が今の会社の中で磨いてきた仕事のやり方や人間関係のスキルを、また一から築き直さねばならず、それが嫌だということです。

(構成=岩原和子 撮影=若杉憲司)
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