「接続のために業者を呼ばなければ」

高市首相は10月16日の参院予算委員会で、立憲民主党の辻元清美氏から、G7首脳オンライン会議を欠席した理由を問われ、「議題が米欧間の問題なので、代理でよしという話を(外務省から)受けた」と説明した。

政府筋が明かした通り、首相が主体的に出欠を検討し、判断したのではなく、遠藤外務審議官が代理出席するとの外務省の提案を多として受け入れたことが分かる。

首相は、続けて「出席を検討したが、開催時間が直前までわからなかった」「オンライン会合に必要なかなり大きなディスプレイを使うので、事業者に頼むので(準備が)整わない」「いろんな回線の接続や設定のために業者を呼ばなければならず、間に合わないということもあった」と答弁した。

明らかに虚言を弄している。危機管理対応のうえから、首相官邸や公邸には、緊急時や突発的なオンラインによる国内外の会議に備えて、24時間態勢で秘匿性の高い専用通信回線やシステムが常備されている。そのたびに業者を呼ぶことはない。

外務省によると、近年では、G7首脳オンライン会議は2023年に2回、24年に4回、25年に1回開かれ、それぞれ当時の岸田文雄、石破茂両首相が出席している。時差の関係でこのうち4回は23時前後の開始だった。

辻元氏は、麻生氏らとの会食を優先させたのではないか、とただしたが、首相は「会議の出欠とは関係ない」「会議の時間帯は、所信表明演説を書いていた」と釈明した。

優先順位が違うのではないか。3日後の演説原稿に赤ペンを入れるよりも、目の前のG7首脳会議に向き合うべきだろう。フランスは、最終的にスタート時間を欧州が14時30分、米国が8時30分、日本が21時30分に調整してきたのだから。

辻元氏は「首相自らの判断で、世界の隅っこに追いやられているのではないかと心配している。出るべきだった」と指摘した。

国会議事堂
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「こんなことを一国の首相が言うのか」

10月27日の参院外交防衛委員会で、辻元氏がさらに攻勢を掛ける。参院予算委(10月16日)での「出席を検討したが、業者が間に合わなかった」との首相発言の確認を求めたが、中西官房副長官は「設備については整備されているという認識は変わらない」と述べつつ、「外交上、情報セキュリティの観点からお答えを差し控えなければならない」と具体的な説明に踏み込まなかった。

辻元氏は、首相自身が8月22日のXに、首相公邸について「海外要人とのリモート会議、公的行事のメッセージ収録、首相秘書官達との打合せを行える大小の会議室や通信環境も整備されている」と投稿していたことを取り上げ、「自らこう書いているのに、業者が来ないとできないから出られなかったなどというのは、完全に自己矛盾だ。こんなことを一国の首相が言うのか」と批判した。

中西副長官は、10月2日の首相と麻生氏らの会食に同席していたが、その後にG7首脳会議が控えていることを知っていたか、辻元氏に問われ、「承知をしていなかった」「外交は外務省が当日担当している」と述べ、首相官邸がチームとして機能していない実態の一端が改めて明らかになった。