首相は「フランスが当日直前に急遽設定した」(10月5日のX)と強調するが、フランスは9月18日、マクロン大統領が「G7は今後数週間以内に会合を開く」と発表している。9月21日にはマクロン氏が「非常に近いうちに開催される」と予告しており、日本を含むG7各国は準備期間に入っていた。
フランスが10月2日に開催すると当日伝えたとしても、オンライン会議に首脳が対応できなかったのは日本だけだった。首相のステートメントが準備されていたにもかかわらずである。
高市首相は欠席理由の一つに「議題は米欧間の問題だった」と述べたが、欧米の燃料価格の高騰は、いずれ日本やアジア諸国にも波及するテーマだ。フランスなどに、世界の主要課題に対して当事者意識がなさすぎる、と受け止められても仕方ないだろう。
首相の外交への向き合い方が問われる
この問題は、単なる国際会議の一欠席問題ではなく、高市首相の首脳外交への向き合い方が問われている。
首相が国際会議に出席すべきなのは、出席経験を積むことで、人間関係を築くことができ、存在感が増してくるからだ。安全保障や危機対応などにおいて日本の立場を反映させる発言権を有することで、国益に資することができる。
ましてG7サミットは世界の政治・経済、安全保障などの基本方針を定める最も高いレベルの枠組みの一つだ。日本がアジアで唯一、そのルール作りの当事者になっていることで、国際的信用や軍事的抑止力、経済的利益を得ることにつながっている。
そんな中、日本のプレゼンスの低下を示す事案が起きた。ドイツとフランスは10月16日、欧州で生産された電気自動車(EV)を優遇する制度の導入に向けた共同方針で合意した。日本で生産された車両は優遇対象から外れる可能性がある。この合意が高市首相のG7サミット軽視と絡めて取りざたされている。
日本に直接関係の薄い議題でも出席する意味は小さくない。日本が北朝鮮問題をG7首脳会議で議論したいと、開催を緊急に呼びかけたとき、英独仏の首脳が「うちは関係ない」と欠席したら、どう思うかという想像力の問題でもある。
2020年3月から17回開かれたG7首脳オンライン会議で、日本の首相の欠席は初めてとなった。首脳外交は、首相にしかできない仕事なのだが……。
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