なぜ攻撃者はGMOを狙ったのか
ここからは筆者の想像に過ぎないが、こういう「自分たちは正しい」という姿勢を過度に貫いたことが「攻撃者」を招いて今の事態を引き起こした部分もあるのではないか。
熊谷代表が会見で「私個人は、今回の件に関しまして、お金以外にも動機があると思っています。2つの動機があるんだろうなと」とかなり踏み込んだ発言をしたが、筆者もまったく同感である。
不正アクセスというのは、個人情報を抜いてダークウェブなどで売りさばくスタイルと、ランサムウェア攻撃でシステムを乗っ取って企業に金を要求するスタイルの2つが基本だ。今回のように、わざわざサイトをつくって、個人ユーザーの情報を晒して、企業の対応を批判するというのはかなりおかしな手法だ。
そのため当初から専門家の間では、GMOや熊谷代表への「私怨」の線が強いのではないかという見立てがあった。
カリスマ経営者がアンチを生んだ
筆者も攻撃者側が開設したサイト(現在は閉鎖)の文言を見た際、金を欲しいだけの犯罪者のわりには、以下のようにずいぶんと「饒舌」なことに違和感を覚えた。
「GMOの故意または過失によって被害を受けた人々の個人情報を公開すると、繰り返し警告してきた。しかし、GMOはいまだに我々の要求を拒否し、責任を回避しようとしている。それどころか、顧客の関心を別の方向にそらそうと画策している」
そして、全体を一読しているうちに「あれ? この感じどこかで見たな」というデジャブに陥った。記者時代、企業や経営者の不正を告発する怪文書や、解雇された元社員が作成した文書のように「義憤」というものが強く感じられた。
GMOによれば、このサイトに書かれていた内容は攻撃者側が揺さぶりをかけるためのデタラメということだが、行間からにじむGMOへの憎悪だけは本物のような気がしている。
歴史を見ても明らかなように、宗教というのは信者を拡大して勢力を増せば増すほどアンチの憎悪も積み上がっていくものだ。つまり、熊谷代表が宗教をモデルにして拡大した「GMO教」も信者も増えたが、その分かなりの「敵」もいるということだ。
事態はまだ動いている。宗教経営を掲げる稀代のカリスマ経営者が「悪意の攻撃者」にどう立ち向かっていくのか目が離せない。
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