なぜ日本人は休むのが下手なのか。起業家の小原康照さんは「日本では、『仕事』が先にあり、疲れたから仕方なく休むという逆転した考え方が根強い。これは、動きを止めてしまったら、「何者でもない自分」の無力さと向き合わなければならないことが、怖くてたまらないからだ」という――。

※本稿は、小原康照『世界の一流が実践している科学的休養』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

部屋で物思いにふける女性
写真=iStock.com/Panupong Piewkleng
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1日6万回以上の思考を繰り返す現代人の脳

現代人の脳は、1日あたり6万回以上の思考を繰り返すと言われている。その大半が「過去の後悔」と「未来への不安」に関するものであり、今この瞬間に集中している時間は、実はごくわずかしかない。

SNSの通知、メール、ニュース、広告、会話、比較。

私たちは、毎秒ごとに膨大な量の情報を刺激として受け取りながら生きている。その結果、脳は常に“考えるモード”のまま休むことができない。

脳の中では「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という領域が、自分や他人、過去や未来について思いを巡らせるときに働く。

このDMNが過剰に活動し続けると、エネルギーが大量に消費され、集中力の低下、不安、イライラ、そして慢性的な疲労感が生まれる。

DMNは、自動車のエンジンのアイドリングのようなもの。

本人は、意識的な思考をストップさせて、脳のスイッチを切っているつもりなのに、脳はアイドリングを続けている。その間、過去の情報や記憶を整理したり、未来の計画を漠然と立てたりしている。

自動車のアイドリングのエネルギー消費量は多くないが、DMNが使っているエネルギー消費量は膨大だ。