「証拠に基づかない主張だ」
公判には被害者参加制度を利用してひかりさんが参加していたが、傍聴席や被告側から見えないよう設置された青いついたての向こうから、ひかりさんの涙声が法廷に響いていた。
閉廷後、ひかりさんは記者会見で、自分が北川被告に好意を寄せて誘惑したという弁護側の言い分について、「証拠に基づかない主張だ」ときっぱり否定。北川被告に好意を寄せたような発言は、他の人は聞いていないと話した。
「自分は『悪いやつをやっつけて被害者を守る』ために検事をやってきました。北川という悪いやつをやっつけようと裁判に参加しました。その中で私の被害について検察が訴えてくれ、被害を思い出して泣けてきました」
裁判では、事件当日の飲み会があった居酒屋に関連する証拠が提出され、採用された。その中にあった飲み会での記念撮影の写真には、居酒屋でキープしていたボトルについている、北川被告が自ら「人間のクズ 北川」と書いたタグが写り込んでいた。
ひかりさんは事件から数日後に北川被告から呼び出されて謝罪を受けたが、「時効が来るまで食事をごちそうするなどと、口封じするような甘言」を聞かされたという。ひかりさんは取材にこう話した。
「食事でごまかそうと甘言を言われ、まったく反省していないことはすぐにわかった。被害者側は心が揺れ動き、まともな判断ができなくなって被害申告できないことは、検事であればだれでも知っている。北川被告は最高検の監察指導部長も歴任し、検事の不祥事を見張るような立場だった。また大阪地検検事正という最高幹部で数々の性犯罪事件にもかかわっているのでなおさらだ。被告がボトルのタグに書いた『人間のクズ』であることを裁判で証明したい」
次回公判は11月6日に開かれ、ひかりさんが証言台に立つ予定だ。
(AERA編集部・今西憲之)
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