法廷で証言する女性
写真=iStock.com/AnnaStills
※写真はイメージです

部下の女性検事、ひかりさん(仮名)に対する準強制性交罪に問われた元大阪地検検事正の北川健太郎被告の第2回公判が10月27日、大阪地裁で開かれ、北川被告は「性交した事実は争いません。抗拒不能だったことは否認し、争います」と無罪を主張した。

北川被告は2024年10月の初公判では起訴事実を認めていたが、その後、弁護人を通して無罪主張に転じると表明。双方の主張と争点の整理が続き、第2回公判が開かれるまで2年もの月日を要した。その間にひかりさんは現職検事として検察組織の問題を訴え続けていたが、今年8月に退職している。

事件の発端は18年9月、北川被告を囲む飲み会だった。起訴状などによると、泥酔したひかりさんがタクシーで帰ろうとしたところ、北川被告が強引に乗り込み、検事正の官舎に連れ帰って性行為に及んだ。北川被告は、

「これでお前もオレの女だ」

などと言いながら2度、行為に及んだとされる。

27日の公判は検察側、弁護側双方が冒頭陳述を行い、検察側はひかりさんが抵抗できない「抗拒不能」だったと主張した。ひかりさんは飲み会の途中から記憶を失い、意識が戻ったときには北川被告がおおいかぶさっていて、「殺されるかも」という強い恐怖で声をあげられなかった。被告は上司であり、行為を続けざるを得なかったとした。

一方、弁護側は、ひかりさんが抵抗できない状態ではなく、性行為に「同意」していたと主張した。飲み会があった居酒屋の階段も普通に降り、北川被告が住む官舎に行く際も、大きな通りを一人で歩いて渡れる状態だったとした。また、ひかりさんが任官後、初めて赴任した地検でも北川被告が部長として指導的な役割だったが、異動の際に同僚とともに「本命部長♡」と書いてプレゼントしていたとして寄せ書きを証拠提出。事件当日の飲み会でも、ひかりさんが、

「『私のこと好きなんでしょう』などと言って被告人の頬を手で撫でた」

などとして、ひかりさんが北川被告に好意を寄せて誘惑した旨を主張した。

さらに、事件から5年以上が経過してひかりさんが被害を申告し、防犯カメラの映像などが証拠として確保できない時点で検察が立件していることについて、

「検察官の立証構造はそもそも脆弱」

と捜査批判も展開した。