地震で露呈した問題は何ひとつ片づいていない

内戦に兵力を割かれる軍のもとでは、首都の再建に何年もかかりかねない。地震から1カ月近くたったころ、ネイション・タイランドはそう伝えていた。地震から1年後の2026年3月、AFPの記者たちが再び被災地を訪れると、復興の進み具合は場所によってまちまちだった。

同じ月の16日、地震で大きく損壊した議事堂の改修が終わり、国軍が民主派政権から権力を奪った2021年のクーデター以来、5年余りぶりに議会が開かれた。伝統衣装に身を包んだ議員たちが首都に集まってくると、議事堂へ続く道路が封鎖される物々しい光景が見られた。

先立つ選挙では、アウン・サン・スー・チー氏が率いた旧与党の国民民主連盟(NLD)など主要政党が、立候補を阻まれるか、不公正だとして参加を拒んだ。議席の9割近くは、軍とその同盟勢力が占めることになった。地震で傷ついた議事堂で、軍が引き続き権力をしっかりと握る。

2019年10月21日、ミャンマー連邦共和国のアウン・サン・スー・チー国家最高顧問は、迎賓館赤坂離宮で日本の安倍晋三内閣総理大臣と会談を行った
2019年10月21日、ミャンマー連邦共和国のアウン・サン・スー・チー国家最高顧問は、迎賓館赤坂離宮で日本の安倍晋三内閣総理大臣と会談を行った(写真=内閣官房内閣広報室/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons)

議事堂の改修が完了しても、地震で露呈した問題は何ひとつ片づいていない。手抜き工事の責任は誰も問われず、壊れた庁舎や住宅の再建は業者任せだ。ミャンマー・ナウが論評で指摘するように、ネピドーは活動が活発なサガイン断層の地震帯の中にある。生活再建が急務となる中、万が一にも次の大地震が発生すればさらなる被害も懸念される。一方、市民の暮らしよりも一足先に改修が済んだ議事堂の中では、今も腐敗を生んだ体制が息づいている。

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