脳の「予測」を助けるよう工夫する
予定を記入するときは、現在から予定までの距離がわかるようにしましょう。例えば、紙の手帳に付箋をつけて未来の予定を書き込めば、現在から予定までどのくらい時間があるのかがわかりやすくなります。目に見えない「時間」という尺度を目に見える「空間」に変換すると、脳はその予定までの行動を予測しやすくなります。
また現在地のマーキングは、自分の手で行う必要があります。画面上の現在に色がついていても、それは単なる色でしかありません。デジタルツールなら、現在をタップしたり、すごろくのコマのように現在マーカーを移動させると、時間が進んでいる感覚を得られます。その進み方を感じることで、予定までの距離を把握し、未来の予測ができるようになります。
さらに、もうひとつ付け加えると、予定を分単位できっちり組んでいく必要はありません。休憩や昼食、帰宅まで書きこまなければ未来の行動を予測できない、なんてことはありません。行動の予測は、「私」ではなく「脳」がします。予測とは、過去の体験を材料に、未来の行動をイメージする脳の作業です。ですから、すべて自分が管理しようとせず、ある程度は脳に任せたほうがいいのです。
「予測脳」を目覚めさせるには
私たちが、何もせずにぼんやりしているときにこそ、脳の予測作業が行われます。ぼんやりしているとき、脳内では前頭葉眼窩部、楔前部、帯状回後部で構成されるデフォルトモードネットワークが働き、情報を混ぜたり入れ替えたりつなげたりして、先の見通しを立てます。
つまり、予測を立てるには、ぼんやりすればいいのです。
「ぼんやりするとは何をすればいいの?」と思われるかもしれません。
デフォルトモードネットワークが起動すると、自分の体や体の内側に注意が向けられ、いわば自分との対話がなされます。裏返せば、体や体の内側に注意を向ければ、デフォルトモードネットワークを起動できます。

