効率化ツールやAIを導入しても、仕事が思うように進まないのはなぜか。作業療法士の菅原洋平さんは「先の展開を予測し準備する『考える間』を省くことで、かえって作業速度が遅くなっている」という――。
※本稿は、菅原洋平『瞬発力の鬼 めんどうくさいを置き去りにする爆速メンタルを手に入れる方法』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
最新技術を駆使する会社員の違和感
最近、こんなことを感じませんか?
「効率化ツールやアプリ、AIを使って、作業は格段に速くなったはずなのに、やりたいこと、やるべきことが進んでいる感じがしない」
もし、思い当たるならば、効率化で何を省いたのかに注目する必要があります。人間の作業には、省いていいものと省いてはいけないものがあります。
私はリハビリテーションの専門職である作業療法士です。「作業が速くなったのに、進んでいる感じがしない」理由を探るべく、外来に相談に来たAさんの事例を紹介しましょう。
大手通信会社のAI事業部門に勤めるAさんは、業務スピードを上げて負担を減らし、成果を何倍にもしたいと思っていました。そのために、業務管理ツールや時短アプリ、自動化ツールやAIエージェントを使うようになりました。最新の技術を勉強して自分の業務に取り入れることで、日常業務は一変しました。
ところが、ある違和感があると言います。表面的には業務量は減り、成果が増えているけれど、常に別の作業に追われている感じがして、本来やりたいことがなかなか進まないというのです。

