「絵に描いた餅」を議論する野党議員

一方で、野党側の政策議論は盛り上がらない。野党がいくら政策を議論したところで、選挙で勝たなければそれが実現することはないからだ。

野党議員だってそれをわかっている。心のどこかでこの政策は実現することはないとわかっていながら、それでもやらないわけにはいかない。そのため野党の政策議論には、どこか諦めや倦怠感が広がっている。

これは取材する記者も同じで、自民党の政策調査会の取材と比べると明らかに温度差がある。壁耳などやるはずもなく、決定事項のブリーフィングを淡々と聞くのみ。当然、憲法のように全党の合意形成を図るべきものはその限りではないが、野党の政策は結局は選挙向けのアピールでしかなく、いかに自分たちのスタンスを示すかという意味ぐらいしかない。実現するものではないことは、議員も官僚も記者も全員がわかりきっているのである。

日本国会議事堂
写真=iStock.com/istock-tonko
※写真はイメージです

翌日の国会で見せた勇ましい姿

こうした実情を踏まえると、「本当は自民党から出たかった」という議員の言葉は私には本音に思えた。だからといって簡単に自民党の公認を得られるわけでもない。選挙区事情、地盤や家のつながり、誰に政界に誘われたか、譲れない政策スタンスなど、様々な事情がそこにある。自民党の公募に応募してみたが、引っかからなかったという人もいる。国会議員になるために、やむなく野党の議席に甘んじているという議員も意外と多いのだ。

私の感触では、政策を実現したいと思っている議員ほど、実は自民党に入りたいと思っている節がある。実際にかつては民主党・民進党に所属していたが、後に自民党に移った議員も多い。自民党の広報本部長を務める鈴木貴子議員は、元々民主党の議員である。他にも細野豪志議員、長島昭久議員、松本剛明議員、井出庸生議員などがその例である。

その会食で、私たちは数人でワインを4本空けた。私は二日酔いで次の日に国会に出勤したが、例の野党議員は朝8時からケロッとした顔で「この資料はどういうことなんだ!」と厳しい表情でスキャンダル追及をしていた。まるで昨晩の会話やお酒は忘れてしまったように政権を追及していた。政治家は無尽蔵の体力があるのだと驚いたと同時に、議員の本心は一体どこにあるんだろうとやりきれない気持ちになった。