KBBが評価したSUV、販売も過去最高に

KBBがデザイン面で評価した車種の一つが、5人乗りSUVのパスポートだ。米ホンダによると、2025年の販売台数は前年比約7割増の5万5231台で、過去最高を記録した。なかでも悪路向けグレード「トレイルスポーツ」が8割を占める。米ホンダは、このグレードが若く比較的所得の高い層を呼び込んでいると説明している。

ホンダ・パスポート(4代目)
ホンダ・パスポート(4代目)(写真=Kevauto/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons)

パスポートの「無骨な見た目」は、決して見かけ倒しではない。

4月上旬、インディアナ州北西部のオフロードパークに、米自動車専門メディア「ドライブ」のジェリー・ペレス副編集長が姿を現した。パスポートの悪路向けグレード「トレイルスポーツ」で、岩と土がむき出しの斜面に乗り入れるためだ。

長期テスト車として借りてから、この時点で7カ月近くが経っていた。横転して壊しては元も子もないと、悪路走行はあえて最後に回していたが、ついにテスト走行の日がやってきた。

施設内の採石場では、岩の上で左前と右後ろのタイヤが宙に浮いた。斜めに傾く車体を、小刻みに効くブレーキが抑え込む。別の岩場では息子の誘導で進み、車体後部のトレーラーヒッチを地面にこすりつつも登り切った。ペレス氏によれば、その間も車内には音楽が流れ、シートヒーターも効いていたといい、緊張の中にも快適な登坂を楽しんだようだ。

ペレス氏はパスポートについて、「冷静沈着なホンダらしさを失わなかった」と評した。トレイルスポーツは、「無骨な見た目」を求める層を狙った商品でもあるが、その見た目に見合う走破力がある、とペレス氏は結論づける。

目指したのは戦闘機ではなく「グライダー」

一方、冒頭でも取り上げたデザインの良さが際立つプレリュードについては、評価が割れている。1月のサンディエゴでカー・バズは、0-60マイル加速(静止状態から時速約100キロまでの加速)を実測し、7.22秒との結果を得た。

疑似的な変速を再現するS+シフトでは8.67秒となり、かえって遅くなったという。米自動車専門誌のジャロップニックのダニエル・ゴルソン記者は、「楽しいが未完成」と評した。価格も関税が上乗せされる不利があり、4万3195ドル(約682万円)からとなる。

それでも、カー・バズによると市街地燃費は良好で、フォード・マスタングや日産Zのほぼ2倍だ。ドライブのアダム・イスマイル氏は、性能よりも身のこなしを重んじるこの小型クーペを、「2026年のアナクロニズム(時流への逆行)」と評した。こうした車を作るメーカーはもうほかにない、と同氏は言う。そのうえで、「心に響くなら逃すな」と読者に促している。乗り手を選ぶが、刺さる人には深く刺さる一台との見立てだ。

ジャロップニックによると、開発責任者の山上智行氏が戦闘機ではなくグライダーを目指したという「プレリュード(前奏曲)」の名前には、懐古主義ではなく未来への期待が込められている。

プレリュードは開発途中、一度は中止が検討されている。それでもホンダは計画を維持した。発売に至らなかったEV3車種とは、対照的な結果だ。

ホンダは5月14日の事業説明会で、2027年から次世代ハイブリッド車の発売を始め、北米を中心に2029年度までにグローバルで15モデルを投入する計画を示している。

実用性と信頼性という屋台骨に、優れたデザイン性が加わったホンダ。復活の前奏曲は、すでに鳴り始めている。

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