分離不安が多いミニチュア・ダックス
これは少し意外な結果です。嗅覚ハウンド系統には、ダックスフント、ビーグル、バセット・ハウンド、ブラッドハウンドといった犬種が含まれます。彼らは主に地面を嗅いで獲物を探し出す猟犬種として作出された歴史をもちます。そのため、嗅覚ハウンドはヒトの助けを必要とせずに勇敢で自立心の高い性格をもつとしばしば表現されますが、実際には飼い主への依存を示す分離不安傾向が高いようです。実際、日本ではほかの人気犬種(トイ・プードル、チワワ、柴犬)と比べてミニチュア・ダックスフントの飼い主が分離不安的問題を訴えるケースが多いようです。
この結果は、同じC-BARQのデータから得られた結果とあわせて考えると実態がよく理解できるようになります。嗅覚ハウンド系統は、恐怖心と攻撃性も高いのです。また、嗅覚ハウンドはよく吠えることも知られています。つまり、この犬種グループは、恐怖にせよ攻撃にせよ不安にせよ感情が高ぶりやすく、さらにはそういう自分の感情を吠えてわかりやすく表出しやすい犬種なのかもしれません。
分離不安の犬は物事に「悲観的」
ちなみに、イヌの分離不安に悩まされている飼い主は世界中にいるようで、イヌの健康や福祉に関わるテーマとして、いま注目されています。イギリスの研究チームが行った研究では、分離不安傾向が高いイヌは物事の捉え方も「悲観的」である可能性が示されました。イヌが楽観的思考か悲観的思考かは、食べものが入っているかどうかが不明であいまいな位置に置かれた容器にイヌがどれだけ早く近づくかというテストによって判定されました。
すると、日常的に分離不安的行動を示しやすいイヌはあいまいな容器にすぐに近づこうとしなかったのです。この結果は、分離不安的行動を示すイヌは失敗を恐れて挑戦的な行動選択や意思決定をしづらくなっていることを示唆しています。イヌたちの幸せな生活を考えるためにも、イヌの性格を理解することは今後ますます重要になってくるはずです。


