ウォーキングが「緊張」と「回復」を切り替える

ウォーキングには、乱れた自律神経を整える働きがあります。ウォーキングは代表的な有酸素運動ですし、リズミカルな運動でもあります。一定のテンポで歩き、呼吸を繰り返し、左右交互に足を動かす規則的なリズム運動は、自律神経へ非常に良い影響を与えることがわかっています。

まず歩いている最中は、一時的に交感神経が働くので、心拍数が上がって血流が整い、身体は活動モードに入ります。また運動後には、副交感神経が優位になり、身体をリラックス状態へと戻してくれます。

要は、ウォーキングをすることは「緊張」と「回復」を自然に切り替える練習なのです。

さらに重要なのが、呼吸です。ストレス状態の人は、呼吸が浅くなっています。無意識のうちに呼吸が速くなり、肩や首に力が入り、身体はずっと警戒モードを続けています。

しかし、ウォーキング中にゆっくり深く呼吸をすることで、副交感神経が優位になると、血管が広がり、筋肉がゆるみ、心拍が安定し、脳の緊張が減り、少しずつ「危険な状態ではない」と認識します。

「歩く+深呼吸」という組み合わせは、自律神経を整えるうえで非常に有効なのです。

さらにストレスを手放すための歩く場所

ここまで、「歩くことで脳が変わる」「ストレスに強くなる」「感情が安定する」といった内容をお伝えしてきました。

では、その効果をさらに高める方法があるとしたら、どうでしょうか。それが、自然の中を歩くこと。つまり、森林浴です。

ウォーキングそのものには、ストレスを軽減したり自律神経を整えたりする効果があることは何度も書いてきましたが、近年の研究では、「どこを歩くか」によって脳や身体への影響が大きく変わることがわかってきました。

森林浴という言葉を聞くと、「気持ち良さそう」「癒やされそう」といったイメージを持つ人は多いでしょう。

カラマツの並木道
写真=iStock.com/blew_i
※写真はイメージです

しかし現在では、その効果は感覚的なものだけではなく、科学的にも実証され始めました。

たとえば、同じ30分間を歩くとしても、車の多い道路を歩くのか、緑の多い公園や森林を歩くのかでは、脳の反応が違います。