日中と夜の「体温の差」を作る
たとえば、寝る前に手足が温かくなることがありますが、これは身体の熱を外に逃がして、深部体温を下げる準備をしている状態です。
また、体温は1日中一定ではなく、体内時計の影響で変化しています。
一般的には、以下のようなリズムがあります。
●早朝:体温が最も低い
●日中〜夕方:体温が上がる
●夜:眠る準備として深部体温が下がり始める
●睡眠中:低めの状態が続く
●起床前〜朝:体温が上がり始め、目覚めやすくなる
この体温リズムが整っていると、夜に眠くなり、朝に起きやすくなります。歩くことで、簡単に体温リズムを整えることができるのです。
ウォーキングをすると、筋肉が働いて熱が作られます。そのため、体温、特に深部体温が一時的に上がります。
日中に適度なウォーキングを行うことで、身体は「活動時間には体温を上げる」というリズムを作りやすくなります。
この日中の体温上昇が、夜に体温を下げるためのメリハリにつながります。
睡眠にとって大切なのは、単に体温が低いことではなく、日中と夜の体温の差がしっかりあることです。ウォーキングを行うと体温が適度に上昇し、夜になると体温がゆるやかに下がっていきます。
自律神経の切り替えにも関わるウォーキング
ウォーキングで整うのは体温だけではありません。私たちの身体には、「概日リズム(サーカディアンリズム)」と呼ばれる体内時計があり、これによって24時間周期で体温、ホルモン分泌、覚醒と眠気のバランスがコントロールされています。
このリズムが整っていると、朝は自然に目が覚め、夜になると無理なく眠気が訪れます。逆に乱れると、「眠りたいのに眠れない」「日中にぼんやりする」といった状態が起こります。身に覚えのある人もいるでしょう。
さらに、歩くことで分泌されるセロトニンは、夜になるとメラトニンという睡眠ホルモンへと変換されます。このメラトニンが、自然な眠気と深い眠りを引き出します。つまり、歩くことは「夜の眠りを作る行為」そのものなのです。
また、ウォーキングは自律神経の切り替えにも関わっています。日中に身体を動かすことで交感神経がしっかり働き、その反動として夜には副交感神経が優位になります。この切り替えがうまくいくことで、リラックス状態に入りやすくなり、眠りやすくなります。
逆に、日中にほとんど動いていないと、この切り替えがうまくいかず、夜になっても身体が緊張したままになります。その結果、「疲れているのに眠れない」という状態が起こります。

