眠れない原因は夜ではなく昼にある

ここで一度、現代の生活を振り返ってみましょう。

●長時間のデスクワーク
●移動は車や電車中心
●1日の歩数が極端に少ない

青栁幸利『歩く人がすべて手に入れる 医学的に正しい最強の歩き方』(SBクリエイティブ)
青栁幸利『歩く人がすべて手に入れる 医学的に正しい最強の歩き方』(SBクリエイティブ)

こうした生活では、身体はほとんど使われません。その結果、体温の変化も小さく、ホルモンの流れも弱くなり、眠りのスイッチが入りにくい体質になっているのではないでしょうか。

つまり私たちが眠れない原因は、夜ではなく昼にあるということ。良い睡眠を作るには、軽い運動が不可欠だということです。

これは無理な運動ではなく、ウォーキングが最適。歩くことで身体はしっかり活動し、体温リズムが生まれ、ホルモンが整い、自律神経が切り替わり、さらにセロトニンやエンドルフィンといった神経伝達物質によってストレスも軽減。

この状態になると、夜は自然と眠れる状態に入っていきます。

快適な睡眠に適切なウォーキング

では、どれくらい歩けば、身体にとって心地良い疲れとなり、スムーズに眠りへと移行できるのでしょうか。これまでの研究からわかっているのは、特別にハードである必要はないこと。むしろ、無理のないペースで20分〜30分程度歩くことを日常的に続けること。

時間帯としては、朝に歩くのが理想的です。朝の光を浴びながら歩くことで体内時計がリセットされ、より強く睡眠リズムが整います。

散歩中に飼い主を見上げている犬
写真=iStock.com/BLACK_FACTORY
※写真はイメージです

また、体温が一番高くなる夕方に歩くと、その日内格差(日内変動)が大きくなり、良い睡眠につながります。日々のウォーキングは、

●体内時計を整える
●体温リズムを作る
●ホルモン分泌を促す
●自律神経を切り替える
●ストレスを軽減する
●適度な疲労を促す

これらの効能で、睡眠の土台そのものを整えてくれます。そして、睡眠の質を高めることで、記憶を支えてくれます。