何も考えないで済む20分の活動

条件その2:思考をある程度中断させる力があること

癒し系は、通常、快感は少ないです。ですから、たとえエネルギー消費が小さくても、やっているうちにそれに集中できず、うつっぽい思考やつらさがいつの間にか侵入してきて、気がつくとそちらのほうを考えてしまう……ということが多いのです。そこで、ある程度集中でき、ある程度楽しめるものがいいでしょう。

たとえば、イヤホンで音楽を聴きながら散歩をしていれば、嫌なことは思い出さない、という人がいます。料理をしているときは、何も考えないという人もいます。人それぞれです。また、忘れる力は「ある程度」でいいと思ってください。20分でもいい。細切れにいろんな癒し系をつないでいけばいいでしょう。

条件その3:「なんとなく好き」であること

嫌な思考を追い出すには、ある程度楽しく、集中できるもの。これを探すには、もともとあなたがなんとなく好きだな、と感じることからはじめるといいでしょう。

昔、マンガを描くのに夢中だったなら、マンガを読んだり、ちょっとイラスト書いてみたりするのを試してください。

「医学的にいいから」「マインドフルネスだから」という世の中のおすすめを信じすぎてはいけません。正しい癒し系などありません。

先の「イヤホンで音楽を聴きながら散歩する」というのも、同じことをやってもすぐに思考が汚染される、という人もいます。先にも言いましたが、人それぞれです。

ましてや、苦手なこと、嫌なことなど、うまくいきません。他者のおすすめを重視するのではなく、あなたが実際やってみて、ここで挙げている条件がどれぐらい満たされるのかを、体験・評価してください。

条件その4:手軽にできること

ある人は、山歩きが好きです。これはこれまでの3つの条件を満たしますが、実際、都会に住むその人が山歩きをするとなると、計画し、移動し、準備しなければなりません。気軽に、すぐやれるわけではありません。ヨガが好き、という方も、「海辺でヨガ」にこだわるなら同じです。

実施するのに大きな準備がいるもの、お金がかかりすぎるもの、他者と一緒でなければできないもの、これらは気軽に使えないので、休養中の癒し系としては実際には使いにくいのです。

「癒し系」を戦略的に使いこなす

癒し系のツールは、ひとつで長時間持たせる必要はありません。

「5分だけ思考が止まった。飽きたら次のツールへ移る」。このくり返しで構いません。空白の時間を「耐える」のではなく、いくつもの薄い快感を継ぎ足しながら「やり過ごす」。この技術を習得することが、休息を安定させる鍵となります。

癒し系ツール15

癒し系は、自分で見つけるものではありますが、ゼロから見つけるのも、今のあなたにはむずかしいと思うので、ほかの人が実施して、ある程度効果的なものをいくつかリストアップしました。

もし、今あなたが疲労の第1段階にいるなら、これらのリストで自分の「気に入りそうなもの」をいくつか試してみてください。

たとえば、絵を描くことは非常に有効な癒し系ですが、絵具や筆などがなければ描けないでしょう。描き方も、事前に基本を動画などで見ておくと、楽しさを感じます。

このように、第1段階のときに、準備したり味見したりして、「これはちょっと楽しいぞ」という感覚を持っておくと、それが第2段階の休養を取るときの「癒し系」として有効に機能しやすいのです。あるアイテムを少し試し、味見しておくことを、癒し系ストレス解消法を育てる(開発する)と呼んでいます。

1.動画を見る

動物の赤ちゃん動画、お笑い動画、驚き動画……。動画はそこに集中させる力が強いのでおすすめです。集中力を必要としない、短い動画が人気なようです。

玩具で遊ぶ子猫
写真=iStock.com/Olga Drach
※写真はイメージです

2.ゲーム

PCやスマホのゲームはひとりでできるし、おもしろく時間を過ごせるのでおすすめです。いろんなゲームがあるので試してみるといいでしょう。

ただし、やりすぎて睡眠を減らしてはいけません。

また、オンラインで課金があるもの、仲間と一緒に進むものは不安・後悔・自責、他者に気をつかう疲労などにつながりやすいので避けたほうがいいです。