新大阪駅や大阪の百貨店に並ぶ、知る人ぞ知る人気大阪土産「とん蝶」。平日に2000〜2500個、金土日祝は3000〜3500個を売り上げ、大阪万博期間中は地元特産品を集めたブース内でトップの2000万円を記録した。なぜ“三角のおこわ”がここまで愛されるのか、5代目社長の興津真生さんに取材した――。(前編)
当日22時まで、取り寄せ不可の「とん蝶」
竹皮柄の包装紙に、「とん蝶」という聞きなれないネーミング。縦に長い二等辺三角形の包みの正体は、大阪の和菓子屋「絹笠」が作る“おこわ”だ。
保存料を使わず、毎日手作りしているため、消費期限は当日22時まで。冷凍販売もなく、取り寄せもできない。販売場所は絹笠本店と、大阪の主要ターミナル駅や百貨店中心と限られていることから、知る人ぞ知る大阪名物といわれている。
「びっくりするほどおいしい」
「一度食べるとハマる」
「新大阪駅で見つけたら絶対買う」
と、SNSでも絶賛する声が相次ぎ、舞台の差し入れやケータリングの定番として、有名人からも熱い支持を得ている。
「とんぼと蝶々」から初代が独自に命名
しかも、定番の「とん蝶(白蒸し)」に加えて、「ゆかりとん蝶」「黒豆とん蝶」「ちりめん山椒入りとん蝶」と、いくつか種類があり、季節の味を求めるリピート客が後を絶たない。
「祖父(初代・岡本大三さん)が、『とん蝶』を考案しました。商品名は、ふる里の情景をイメージして、“とんぼと蝶々”を組み合わせた造語です。舞台の幕間に、おにぎりみたいにパクッと片手で食べられるよう、この形にしたと聞いています」
そう教えてくれたのは、5代目社長・興津真生さん(57)。大阪市鶴見区に「御菓子司 絹笠」として本社・工場を構え、併設の直営店でも「とん蝶」や和菓子を販売している。




