「インフレ対抗力のある資産」で資産運用を
(2)年金額はインフレに追いついていかない
年金は「マクロ経済スライド方式」という制度が採用されており、インフレが進むと、年金額が増額されることになっています。
しかしながら、この「マクロ経済スライド方式」で採用される率は、非常に控えめなものであり、実際のインフレ率よりは、かなり低く抑えられるのが現実です。そのため、年金収入は、実際のインフレ率に追いついていかないのです。
ではどうすべきかと言いますと、「インフレ対抗力のある資産」で資産運用を続けていくべきです。その有力な手段が株式投資であると言えます。
そして、報告書の後半では、自分自身の状況を「見える化」して、資産運用による「自助」の充実を図る必要がある、と述べられています。付属文書でも述べられているのですが、ここでも「資産運用による自助の充実の必要性」が述べられています。
日本人は、「恐い」とか「難しい」といって、「資産運用」から逃げ腰です。
そのため、マスコミはこの「資産運用の重要性」のことを看過してしまいましたが、この「資産運用による自助の充実の必要性」ということを指摘したことが、この報告書の最も意義深い点なのです。
日本人は「お金のことを知らなさすぎる」
また、「認知症への備えの重要性が増していく」とも述べられており、とても大事なことが述べられているのですが、「認知症への備え」も国民に受けが悪いからか、マスコミはスルーしています。
「認知症への備え」としては、認知症が進んだ場合にも、受動的に収入が得られるような資産所得の源泉となる(株式や不動産といった)資産の形成が重要になってくるのですが、そういう問題意識は啓発されませんでした。「老後に2000万円が不足する」という扇動的な報道が独り歩きしてしまったためです。
この報告書には、今後に関する「考えられる対応」として、いくつかの項目が挙げられています。その中でも私が特に重要だと考えるのは、「金融リテラシーの向上」です。平たい言葉で言えば、「お金の教育水準を上げる」ということです。
「お金、お金」とまくし立てることは、私も強い嫌悪感を持っています。しかしながら、日本人は「お金のことを知らなさすぎる」ので、それは良くないことであるとも強く感じています。なお、「お金は汚いものだ」などという考え方は、もっての他です。

