血管の健康を守るには何をするといいいか。立命館大学スポーツ健康科学部教授で医学博士の家光素行さんは「『血管の健康』を守るには減塩だけではなく、『血管そのもの』を柔らかくする血管伸ばしが有効だ。さらに、血管を柔らかくする物質『NO』の分泌を促す食べ物を摂るといい」という――。

※本稿は、家光素行『科学的に正しい 血圧を下げるストレッチ 血管のばし』(Gakken)の一部を再編集したものです。

食料品店で野菜を買う男
写真=iStock.com/ZeynepKaya
※写真はイメージです

塩分をとりすぎると血圧が上がる仕組み

「塩分が多い食事」は、血圧を上げる要因の1つ。なぜ、「とりすぎた塩分」が血圧を上げてしまうのでしょうか。それには、血液の量が増えることが関係しています。

人間の体は塩分をとりすぎると、薄めて塩分濃度を下げようとして水分を溜め込みます。塩辛いものを食べたときに喉が渇くのもこのためです。

体内の水分量が増えると、血管を流れる血液の量も増えます。大雨で増水した川は猛烈な水圧になりますが、血液も流れる量が増えると血管にかかる圧力が大きくなり、血圧が高くなるのです。

通常、余分な塩分と水分は数時間後に尿として排出されるため、塩分のとりすぎによる血圧の上昇は一時的なものです。しかし、これが日々続くと、血管は慢性的に高い圧力を受け続けるため、硬くなっていきます。

そうなれば塩分濃度に関係なく、血圧が高い状態が続いてしまうのです。

また、すでに傷や炎症を起こしている血管にとって塩分のとりすぎは大敵。もろくなった血管に高い圧力をかけることは、破裂のリスクを高めてしまいます。だから、高血圧の人は、塩分のとりすぎに一層注意しなければなりません。

【図表1】塩分のとりすぎによって、血圧が上がる仕組み
イラストレーター=さとうりさ

塩分をとりすぎると、体は水分を溜め込みやすくなり、血圧が高くなりやすくなります。この状態を防ぐためには、まず減塩が基本です。そのうえで、体の水分不足を防ぐために、こまめに水分を補給することが大切です。