今度はコンテンツに官民34兆円
だが、「失敗」を「失敗」と簡単に認めないところが官僚の官僚たるゆえんである。「懲りない面々」は、「クールジャパン機構」の検証もそこそこに、はやくも「次」の一手に踏み出そうとしている。
高市早苗政権は、2040年度までに官民合わせて累計370兆円超を投じる「日本成長戦略」を打ち上げ重点17分野を掲げたが、その一つに「コンテンツ産業」を潜り込ませ、「クールジャパン機構」と同様に、ゲームやアニメ、マンガなどの海外展開を積極的に後押しするスキームを打ち出した。
「コンテンツ産業」には34兆円の投資を計画。2023年に5兆8000億円だった日本発コンテンツの海外売り上げ高を2033年までに3倍以上の20兆円に増やす大目標を掲げた。
司令塔となる新組織は、省益優先の縦割りにならないよう内閣府に設置される見通しだが、経産省は早々に、「エンタメ・クリエイティブ産業戦略2026(ものがたり大国5か年計画)」を策定し、実質的な主導権を握ろうとしている。
看板を変えて、同じ失敗を繰り返すのか
実は、「クールジャパン機構」設立から10年経った岸田文雄政権時代の2024年6月、「リブート(再起動)すべき時期が到来した」と、「新たなクールジャパン戦略」を策定。コンテンツ産業の海外展開規模を2033年に20兆円にまで引き上げると打ち上げていた。
今回の大目標は、突然降ってわいたものではなく、「リブート・クールジャパン戦略」の延長線上に位置するものといえる。だが、そもそも、民間主体のコンテンツ産業に、縁もなければ知見もない霞が関官僚が関わること自体を疑問視する向きもある。リスク管理もままならない「武士の商法」がうまくいったためしはないのだから。
「クールジャパン機構」の廃止は、年内にも最終的な結論が出そうだが、うがってみれば、「次」に転進するためには一刻も早く「負債」を精算したいというのが経産官僚の本音かもしれない。
だが、そんなご都合主義がまかり通っていいはずはない。原因を徹底的に追及し、真摯に反省するところから「リブート」しなければ、同じテツを踏みかねない。「クールジャパン機構」の「失敗」を、生きた教訓にできるかどうかが問われている。
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