SNSにいる「成功者」が最高の宣伝に

オンライン抽選型サービスのもう一つの特徴が、SNSとの相性のよさである。数十万円の商品が当たった映像、派手な抽選演出、「神引き」と呼ばれる大当たりや、「爆アド」と称される大幅な得をした結果の投稿は拡散されやすく、利用者から見れば、自分のタイムラインに成功例が繰り返し流れてくることになる。

人間の心理としても、当たりを引いた人はつい投稿したくなるものだ。一方で、何十回も外れただけの結果をわざわざ投稿することはない。この構造だけでも、SNS上で目にする「当たり」の頻度と実際の当選確率には大きな印象の差が生まれやすい。そこに「残りわずか」「本日限定」「1/2」「還元率100%超」といった表示が加われば、購入判断への影響はさらに強くなることは間違いないだろう。

近年、消費者庁もデジタル空間で消費者の意思決定に働きかける画面設計を「ダークパターン」という観点から調査している。2026年6月公表の調査では、回答者の76.2%が何らかのダークパターンを見た経験があり、37.5%が過去1年間に経験したと回答している。消費者庁長官も、デジタル取引において「意思形成を歪めるユーザーインターフェースによる誘導」が課題として指摘されていると説明している。

パチンコ、競馬、宝くじとの決定的違い

オンライン抽選サービスの表示が直ちにダークパターンに該当するというわけではないが、消費者保護を考える際に、もはや広告文言だけを取り締まれば足りる時代ではなくなっていることは確かだ。画面の設計、繰り返し購入のしやすさ、通知、期限表示、SNS上での訴求まで含め、消費者の判断にどのような影響を与えるのかまでチェックする必要があるだろう。

今般の報道に対しては、

「オリパで負けた金を返すなら、パチンコや競馬やカジノで負けた金も返すのか?」
「高額課金で当たらなかった? それなら宝くじやロトも同じだろう?」

といった意見も出ているようだ。確かに、課金し、偶然によって結果が決まり、高額な当たりを期待するという点にはいずれも共通部分がある。

ただ、制度の作り方はかなり違う。