あなたの脳はもっと酸素を欲しがっている

三叉神経は、自律神経系とも密接に結びついている神経です。耳元での小さな圧迫が、顔の筋肉の緊張、頭痛、そして自律神経の「警戒モード」を、1日中じわじわと刺激し続けている――これが、ゴム紐のもう一つの隠れた弊害です。

マスクを着用する若い女性
写真=iStock.com/minianne
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その結果、「なんとなくフワフワする(めまい)」「まっすぐ立っているだけなのに疲れる」「頭が締めつけられるように痛い」といった謎の不調を引き起こすのです。

もちろん、TPOに合わせてマスクは必要ですが、「誰もいない屋外では外して、深呼吸をする」「帰宅したらすぐに外して、耳をやさしくマッサージする(耳引っぱり)」これだけでも、脳の疲れはまったく違ってきます。

あなたの脳は、新鮮な空気を欲しがっています。1日のうち数分でもいいので、マスクを外して、脳にたっぷりと酸素のご褒美をあげてください。

「スマホ酸欠」が急増している

「手は突き出た脳である」これは哲学者のカントの言葉ですが、医学的にも非常に正しい表現です。脳の中には、体の各部位に対応する地図があります。

「脳の中の小人」という有名な図があり、手と口(舌)が大きく描かれています。手の中でも指、特に「親指」が占める領域が、異常なほど大きくなっています。これはつまり、「手や指の状態は、そのまま脳の状態を映し出している」ということです。

手が疲れていれば脳も疲れているし、逆に手を癒やすことで、脳の広い範囲を癒やすことができるのです。

親指の付け根を押して「痛い」なら注意

現代人の脳がかつてないほど疲労している最大の原因の1つは、間違いなく「スマホ」です。私たちは毎日、スマホの画面を数えきれないほどスワイプし、フリックし、タップしています。このとき、最も酷使されているのが「親指の付け根(母指球ぼしきゅう)」です。

自分の手のひらを見てください。親指の付け根のふっくらした部分、そこを押してみると「痛い!」と感じませんか? もしカチカチに固まっていたり、押すと激痛が走ったりするなら、あなたの首もガチガチに固まっているはずです。

筋膜の視点から見ると、親指の付け根は「腕~肩~首~頭」へと1本のラインでつながっています。ですから親指の付け根の筋肉(母指球筋)が固まると、手首や腕の筋膜を引っぱり、それが肩こりや首こりに直結します。

また、東洋医学では、親指は「呼吸器」に関連しています。つまり、親指の付け根がパンパンに張っているときは、首がガチガチに固まって呼吸が浅くなっています。結果として脳に十分な酸素が届きにくくなり、脳がギュッと締めつけられるような脳過労とリンクしているのです。