中国客56.3%減でも全体は1.7%減
ブルームバーグによれば、7月中旬時点で3社の株価はいずれも年初来42%以上下落していた。
一方、香港のキャセイパシフィック航空は旅客数を伸ばし、同時点で年初来6%近く上げるなど好調だ。同社は8月5日に公表した上半期決算で、旅客収入が前年同期比26.3%増えたと発表。要因として、堅調な旅行需要に加え、中東情勢を受け香港経由の乗り継ぎ客が増えたことを挙げた。
訪日自粛要請により、日本側にも一定の痛手が生じている。
JTBは1月時点で、2026年の訪日外国人数が2.8%減の4140万人となり、コロナ禍後で初めて減少に転じると予測した。同社が運営する訪日客向け宿泊予約サイトでは、1〜4月の予約件数が中国本土で前年同期の5割、香港では1割にとどまっていた。
しかし、空いた穴は思いのほか浅い。日本政府観光局(JNTO)の集計によると、訪日自粛要請の直後の昨年12月、中国本土からの訪日客は前年同月比45.3%減の33万400人に落ち込んだが、訪日客全体はむしろ3.7%増えた。
今年1〜7月の累計でも、中国本土からの訪日客が56.3%減った一方、訪日客全体の減少は1.7%にとどまっている。7月単月では総数が344万人と前年同月比0.1%増えた。4カ月ぶりに前年を上回り、7月として過去最多を記録している。
ジェームズ・クック大学で観光・ホスピタリティ経営を教えるジルミヤ・カンブル上級講師は、CNBCで中国客の減少を「重大ではあるが、壊滅的ではない」と評した。客層が分散していたぶん、日本の観光は持ちこたえている。
マスターカードのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、デービッド・マン氏によれば、訪日客数はコロナ前を34%ほど上回る水準にあり、円安で1人当たりの支出が増えたことで、観光収入は客数の伸びを上回って増えている。
中国政府は、日本への経済制裁を意図して訪日自粛を勧告した。だが、結果として誰よりも不利益を被ったのは、他ならぬ中国の航空各社だったようだ。
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