「人生を自分で選んでいる実感」が持てた
表の顔は、地方在住・年収300万円台の会社員。裏の顔は、アパート経営者であり、講師であり、コンサルタント。けれど、この二つはまったく別の自分ではありません。裏の世界でも使っていたのは、会社で身につけた、相手の話を聴く力、場の空気を読む力、決めたことをコツコツ続ける力でした。
ただし、これは「投資で一発逆転した」という話ではありません。投資や不動産にはリスクがあり、同じことをすれば誰もが同じ結果になるわけでもない。私の人生を変えた本質は、会社員の自分を捨てずに、会社の外にもう一人の自分を育てたことにあります。
昼間は、いつも通り会社で働く。上司に呼ばれれば返事をし、メールを返し、事務員としての役割を果たす。でも夕方5時を過ぎたら、自分の名前で学び、発信し、人とつながる。会社の名刺とは別の顔が動き始めます。
会社員という「表の顔」を守りながら、その裏側に、本当にやりたい仕事や新しい居場所を育てていく。そこから私は、この生き方を「裏OL」と名づけました。「裏」といっても、怪しいことや、会社に隠れて悪いことをするという意味ではありません。今の人生や、これまでの会社員経験を捨てるのではなく、その裏側にもう一つの活躍の場所を増やすという意味です。
資産3億円を実現したことよりうれしかったのは、「私は、自分の人生を自分で選んでいる」と思えるようになったことでした。会社の評価だけが、自分の価値ではなくなった。私にとって「裏OL」という働き方は、会社の名刺に収まらない自分を取り戻した証でもあるのです。
「裏OL」は、信用・収入・居場所を育てる
裏OLをひと言で表すなら、「会社を辞めずに、会社以外で、自分名義の信用・収入・居場所を育てる働き方」です。
会社の終業後や休日に、これまでの経験や人間力を使って、小さな活動を始める。私はそれを「裏稼業」と呼んでいます。もちろん、違法なことでも怪しい商売でもありません。読書会を開く、好きなことを発信する、人が集まる場をつくる、誰かの相談に乗る。会社では「できて当たり前」と流されてきた段取り力、気配り、聴く力、調整力、継続力などを、別の場所で使い直すのです。
「それって、副業と同じでは?」と思うかもしれません。けれど、目先の現金を得るために時間と体力を切り売りするだけでは、疲労が増えるばかり。裏OLが積み上げるのは、お金だけではありません。「この人にお願いしたい」と思われる信用、会社の外でのつながり、自分の名前で残る実績、そして「私にはここがある」と思える居場所です。
最初から稼げなくても構いません。小さく試し、反応を見て、修正する。私自身、読書会で得た500円以上に、「会社の肩書がなくても、私の話を聞きたい人がいる」という事実に価値を感じました。その小さな手応えが発信や講座につながり、会社とは別の「人生の柱」へ育っていったのです。


