上司や先輩と共有するといい

したがって、目標を共有する場合はうまく行う必要がある。より最近の、オハイオ州立大学での2019年の研究で、適切な目標共有の方法が示唆されている。一連の実験を通して、人々は「より高いステータスにある」と認識している相手や、尊敬している相手と目標を共有すると、目標達成へのコミットメントが高まる傾向にあることを同大の研究者たちが発見したのだ。

パット・フリン (原著)、鈴木ファストアーベント理恵 (翻訳)『リーン・ラーニング 「ものにする」人が自然とやっている 最小のインプットで最大の成果を得る学習法』(翔泳社)
パット・フリン (原著)、鈴木ファストアーベント理恵 (翻訳)『リーン・ラーニング 「ものにする」人が自然とやっている 最小のインプットで最大の成果を得る学習法』(翔泳社)

実験の例を1つ挙げると、目指す目標を博士課程の院生と共有した学部生は、その目標を達成する可能性がより高かったのに対して、2年制のコミュニティ・カレッジ(注:短期大学にあたる)の学生だと思われる相手と目標を共有した学生は成績が振るわなかった。同様に、自分よりも高いステータスにある人物に自身の野心的な成績目標を共有した学生は、学期末になっても目標とする成績に向けてより努力している傾向が確認された。

論文の筆頭著者であるハワード・クラインによると、成功の鍵は、上司や先輩など自分より「上」の人と目標を共有することだという。説明責任を果たさなければならないから、という理由だけではない。自分がどのように見られるか、その人からの評価が気になるからこそモチベーションがより高まるのだ。社会的承認を自分の利益になるように活用していると言え、これもまた自発的強制機能の1つの形である。

大事なのは「どのようにやるか」「誰とやるか」

まとめると、ソーシャルメディアで目標を共有することはもっとも効果的な戦略ではない可能性が高い一方で、自分が高く評価しているあるいは尊敬している人物を選んだうえで目標を開示することは、適切な動機づけと責任感につながり、目標達成へ向けた努力を継続するうえで役立つと考えられる。これはまさにメンターにうってつけの役割だ。あなたが所属するコミュニティのサポーターにも適任者がいるかもしれない。

目標を適切な人と共有すると、望ましい結果を得られる可能性が高まる。人生の多くのことと同様、大事なのは「やるかやらないか」ではなく「どのようにやるか」、そして「誰とやるか」なのだ。

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