プレジデント動画シリーズ「リーダーの器」。第11回はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の髙橋誉則社長です。無料会員登録でフル動画をご覧いただけます。ぜひご登録ください――。
キャリアを完全に手放した日
髙橋誉則さんは新卒でCCCに入社し、TSUTAYAの加盟店を回るスーパーバイザーからキャリアをスタートさせました。その後人事を任され、役員に就き、順当にキャリアを重ねていきます。
そのキャリアを、2018年に一度、完全に手放します。育休ではなく無職になったのです。ダウン症をもつ娘の療育や通院に、平日を丸ごと使うためでした。
「中途半端に会社に籍をおいて役割を持っていたら、できるものができなくなる」
3年間、揺れたことは一度もなかったと言い切ります。そしてこの生活のなかで、思いがけない気づきがありました。子どもを送り出したあと朝の買い物に行き、夕方また晩ごはんのために出直す。効率は悪い。けれど時間帯ごとに客層が入れ替わるスーパーの売り場は、会議室では絶対に見えないものを教えてくれたといいます。
生活者に価値を届ける仕事をしていながら、自分は生活をしていなかった。「目から鱗中の目から鱗だった」と語るこの気づきを抱えて、髙橋さんは会社に戻ります。
「無報酬」を申し出た理由
復帰は2021年。自ら創業者である増田宗昭氏のもとを訪ね「何でもやります」と申し出たところ、返ってきたのが「おもろくしてくれ」の言葉でした。翌22年には代表取締役副社長兼COOに就きます。このとき髙橋さんが自ら申し出たのが、1年間の固定報酬ゼロでした。利益が出たら営業利益の5%をもらう、完全出来高払い。理由は二つあります。
一つは、人員リストラをせずに立て直すと決めた以上、高い報酬を取ったまま社員に緊縮を求めるわけにいかなかったこと。もう一つは、創業オーナーに覚悟を示すためでした。
「創業者とは、自分がリスクを背負ってきた人なので、その覚悟がない人に仕事を任せたくないですよね」
株を持たない自分が同じ土俵に立つ方法は、それしかなかったと振り返ります。

