※本稿は、田口里奈『科学的根拠に基づく 最高の睡眠空間』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
もっとも良質な睡眠が期待できる寝室の色
白を基調とした空間は清潔感を、コンクリート打ちっぱなしのグレーの空間はモダンな印象を与えます。また、茶色い丸太に囲まれたログハウスではぬくもりや温かみを感じるように、室内の色は私たちの感情に影響を与えるといえるでしょう。
実際に、イギリスのホテルグループ・トラベロッジが行った調査では、寝室の色によって睡眠時間に違いがあることが報告されています(※1)。この調査は2000件の家庭を対象に行われ、次のような結果が得られています。
この調査で、睡眠時間が最も長かった色と短かった色とでは、約2時間もの差がみられています。睡眠時間は「自己申告型」ではありますが、この調査から、部屋の色が心理的な影響にとどまらず、身体面にも作用する可能性はあるといえるでしょう。
色が心理や行動に与える影響を「色彩効果」といいます。色彩効果は私たちの暮らしのさまざまな場面で活用されています。
たとえば、道路標識では危険を示し注意を喚起するために、目立つ赤色や黄色が使用されます。信号機でも「止まれ」を示す大切な色として、注意を向けやすい赤色が使われています。
また、牛丼店やハンバーガーショップなどのファストフード店には、赤色やオレンジ色がよく使われています。赤色やオレンジ色は、興奮や食欲を刺激し、早く食べたいという気持ちを促すとされています。注文量や店舗の回転率を上げる狙いもあるのかもしれません。
洗剤や歯磨き粉などのパッケージには、清潔感や爽快感を与えるとされる青色がよく使用されています。
このように、色は私たちの感情や行動、さらには生理的な反応にまで影響を与える力を持っており、上手に取り入れることで、より快適な暮らしを実現する手助けになると考えられています。次からは、快眠のためにおすすめの色をご紹介します。
※1 Travelodge UK. The Secret to a Good Night’s Slumber Is to Sleep in a Blue Bedroom. (2013,May 17)


