寝具売り場でよく見かける色

質のいい睡眠を得るためには、就寝時に心身ともにリラックスした状態でいることが大切です。身体がどれだけリラックスしているかは、ストレスホルモンともいわれる「コルチゾール」の分泌量や、心拍数の変化から客観的に把握することができます。

そして、目にする「色」によってこれらの生理的な指標に変化がみられることが、多くの研究で報告されています。

たとえば、色による脳波の変化を調査した研究では、青色の壁面を見ることで、リラックス時に現れるα波やθ波が増加することがわかっています(※2)

また、色とストレスの関係を調査した研究では、青色のレンズを通して視界全体が青く見える状態の被験者にストレス刺激を与えた場合、透明なレンズを使用した場合と比べ、ストレス反応の指標である唾液中のコルチゾールの分泌が抑えられることがわかっています(※3)

これらの結果から、私たちは青色を見ることでリラックス状態に近づき、ストレス反応を緩和する可能性があると考えられます。

深いブルーの寝具で統一されたベッドで眠る若い女性
写真=iStock.com/Ridofranz
※写真はイメージです

青色は、先に紹介したトラベロッジによる調査でも、最も睡眠時間が長くなる色として報告されています。

実際に、客室やラウンジのインテリアへ青色を取り入れているホテルも多くみられます。また、寝具売り場でも青色系の布団カバーや枕カバーを目にする機会は多いのではないでしょうか。

私たちは無意識のうちに、癒しや安心感を求めて青色を選んでいるのかもしれませんし、寝具メーカーもそのような心理を踏まえて青色を多く展開しているのかもしれません。

良質な睡眠を促すインテリアの種類

では、青色を取り入れてよりよい睡眠を得るためにおすすめのインテリアアイテムをご紹介します。

① 寝具

青色は寝具類に最も多く使われている色の1つです。高級寝具メーカーから、手頃なライフスタイルショップまで、さまざまな価格帯で青色系の寝具アイテムが展開されています。

寝室の中でもベッドは特に視線を集めるアイテムです。そのため、寝具カバーは、色を変えるだけで部屋全体の印象も大きく変わります。寝具カバーのほか、枕カバーやブランケットなどに青色を取り入れるのもおすすめです。

「青色」といっても、水色やネイビー、ストライプ柄やチェック柄など、さまざまな青色の寝具があります。自分の好みの青色を選べば、自分らしい癒しの空間を作れるでしょう。

② ラグ、カーペット

「おしゃれ」や「映え」のためのアイテムと思われがちなラグやカーペットですが、寝室にラグやカーペットを敷くのは良質な睡眠をとるためにとてもおすすめです。

フローリングとカーペットの上を歩いたときの脳波や皮膚インピーダンス(皮膚の電気的抵抗による緊張度の指標)を比較した研究では、カーペットの上を歩いたときのほうが人の体はリラックス状態に向かうことがわかっています(※4)

ラグやカーペットは室内に占める面積が比較的大きいため、1枚敷くだけで部屋の印象を大きく変えることができます。青色系のラグを選べば、落ち着きをもたらすことができるでしょう。

寝室だけでなく、リラックスして過ごす部屋へラグを敷くこともおすすめです。

③ カーテン

寝室では夜の時間帯にカーテンを閉めて過ごすため、特に窓の面積が大きい部屋や、窓が複数箇所ある部屋は、カーテンの色が室内の印象を大きく左右します。

カーテンも色や柄、素材などのバリエーションが豊富なので、お気に入りの青色を見つけやすいアイテムです。

寝具やラグと色味やトーンを揃えることで、部屋全体が一体感のある印象になります。

※2 Bower IS, Clark GM, Tucker R, Hill AT, Lum JAG, Mortimer MA, Enticott PG. Built environment color modulates autonomic and EEG indices of emotional response. Psychophysiology. 2022 Dec;59(12):e14121.
※3 野村 収作. 青色のストレス反応抑制効果 ~唾液コルチゾールによる検証~ . 映像情報メディア学会誌. 2014;68(12):J537–J539.
※4 Hoki Y, Sato K, Kasai Y. Do carpets alleviate stress? Iran J Public Health. 2016 Jun;45(6):715–720.