熱中症予防に「経口補水液」は大間違い
猛暑に襲われる近年の夏、怖いのは熱中症だ。そこで、予防のためにこまめに水を飲む人は多い。
いや、ただの水では効果が小さいと、熱中症に効くと評判の「経口補水液」を愛飲している人もいるのではないか。
しかし、経口補水液は熱中症の予防のために飲むものではない。間違った使い方をしないようにしよう。
最近、にわかに注目されるようになり、ドラッグストアに多彩な商品が並んでいる経口補水液。以前からあるスポーツドリンクとはどう違うのだろうか。
本来、経口補水液は脱水症状の治療に使われるものだ。脱水症状になった場合は点滴も選択肢に入るが、病院に行くまでに時間がかかるときなど、この経口補水液を飲むと、速やかに水分を補給することができる。
経口補水液の主な成分は糖分と塩分。別に市販の商品を買う必要はなく、じつは自宅で簡単に作ることが可能だ。
500mLのペットボトルに水を入れ、上白糖を大さじ2程度の20g、塩をひとつまみの1.5gを加えて混ぜたらできあがり。この比率で水と砂糖、塩分を組み合わせると、小腸に最も素早く吸収される。
経口補水液とスポーツドリンクの最も大きな違いは、糖分の濃度。スポーツドリンクは運動で失われたエネルギーを補給するため、含まれている糖分が多い。このため、経口補水液と比べると、水分が吸収されるスピードという点では劣る。
こう見てみると、熱中症の予防に経口補水液は最適のように思えるかもしれない。しかし、あくまでも緊急時の治療用という点を忘れてはいけない。
本来、医師による食事療法として使われるものなので、まだ体に水分が十分ある状態では飲まないのが基本だ。熱中症になりかけたときなどに、急いで作って飲むのがいいだろう。
大量の汗で「水をがぶ飲み」は禁物
熱中症の予防のためには、エアコンなどを使って暑さを避けるとともに、水を補給するのが大切。しかし、汗を大量にかくのだからと、水をがぶ飲みするのは禁物だ。かえって脱水症状を悪化させる危険がある。
一気に大量の水を飲むと、血液などの塩分濃度が低下する。
こうなった場合、体は塩分濃度を正常な範囲に戻そうと、尿の量を増やして外に出そうとするのだ。
結果的に、しっかり水を飲んでいるにもかかわらず、逆に脱水状態に近づいてしまう。さらに、塩分濃度が低くなると、のどの渇きを感じにくくなる。体は水分を必要としているのに補給されにくい、という困った状態になってしまうのだ。
熱中症予防の水分補給には、1時間ごとにコップ1杯の水を飲むようにしよう。

