すべて「相手が悪い」に収束していた
ここで私が引っかかったのは、Aさんの感じている不満内容そのものではありません。転職前の面接や事前調査で得られる情報には限りがあり、実際に部署に入ってみないと分からないことは確かにあります。それが想像と違っていることも、決して珍しくありません。
私が引っかかったのは、状況の解釈がすべて「相手が悪い」「相手が変わるべきだ」という一点に収束し、そこから一歩も動かなくなっていたことでした。指示が曖昧なら、自分から「この部分は具体的にどう進めればよいか教えてください」と聞き返すこともできます。同僚が忙しそうなら、聞くタイミングや聞き方を工夫する余地もあります。しかしAさんの語りの中には、「自分がどう働きかけられるか」という視点がありませんでした。
他人も自分も責める必要はない
心理学には「統制の所在(Locus of Control)」という考え方があります。物事の結果を、自分の行動や工夫によって左右できると捉える人(内的統制)と、環境や他人、運によって決まると捉える人(外的統制)がいる、という枠組みです。
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