見た目は昔のパタパタでも、中身は最新型だ。デジタルパタパタの大きな特徴は、表示できる情報量の多さにある。

「種別と行き先の多言語表示は、LED式のときは日本語と英語の2カ国語でしたが、LCD式になって日本語と英語に加え、中国語と韓国語の4カ国語で表示可能になりました」(京急)

京急では25年2月、青物横丁駅(東京都品川区)にデジタルパタパタを先行導入している。上大岡駅は2駅目だ。両駅が選ばれたのは、表示器が老朽化して更新時期を迎えていたことに加え、かつて実際にパタパタが設置されていた駅だったためだという。

駅の日常を彩った独特の音

そもそも、パタパタはどのように生まれ、なぜ姿を消したのか。

駅の案内表示器は、時代とともに姿を変えてきた。

かつては、行き先などを記した「サボ」と呼ばれる表示板が使われていた。列車ごとに用意され、運行に合わせて掛け替えられたほか、行き先などを印字したフィルムをドラムに巻いて表示する方式もあった。

反転フラップ式の案内表示器(パタパタ)が日本の鉄道駅に導入され始めたのは、1950年代ごろだ。その後、高度経済成長期に入り、列車の本数や急行、特急などの種別が増えるなか、駅の案内表示を効率よく切り替える必要が高まった。

行き先、種別、発車時刻が一斉に切り替わるときの「パタパタ」という独特の音は、やがて駅の日常の一部になった。

京急がパタパタを初めて導入したのは、86年12月25日。京急川崎駅(当時の京浜川崎駅)に設置された。やがて他の駅にも展開され、最も多い時期には10駅ほどに設置されていた。

だが、90年代に入ると、案内表示器はパタパタからLED式へと移行していく。京急では2022年2月、京急川崎駅に残っていた最後のパタパタが姿を消し、LED式に替わった。全国の駅でも同様の動きが進んだ。