人工知能(AI)の発展をめぐる情勢は、明らかに質が変わってきている。発明家のレイ・カーツワイル氏は、著書の中で「2045年に人間の能力を人工知能が上回るシンギュラリティ(技術的特異点)が来る」と書いた。しかし、昨今の状況を見ると事態はもっと早く展開しそうだ。

すでに、囲碁や将棋、チェスなどのボードゲームでは、人工知能が人間の能力をはるかに上回っている。自然言語処理においても、次第にチャットGPTなどの大規模言語モデルが人間を凌駕し始めている。日本語と英語の間の翻訳においても、AIが実用で使えるレベルに達している。シンギュラリティは、さまざまな分野で徐々に起こり、広がり始めているのだ。

「なんでも翻訳してくれるAI時代」であるが、それでも英語力が必要な理由は何だろうか? AI翻訳ツールがあるから英語を学ぶ必要はない、と考える人もいる。一方、AIに頼ると致命的な誤訳をされる場合もあるから、人力によるチェックは欠かせないという考え方もある。何よりも、AIを通さない直接のコミュニケーションのほうが絆が深まるという見方もある。AI翻訳ツールが発達している時代に英語を学ぶ意味について、改めて考えてみたい。

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