もちろん時間の余裕があるなら、そういったお客さんとも継続的な関係づくりをしていけばいいでしょう。

しかし、私たちが働ける時間には限りがあります。見込みの薄いお客さんを訪問する余裕があるなら、もっと見込みのあるお客さんのところに通う回数を増やしたほうがいい。これは営業の鉄則です。

にもかかわらずなぜ判断を誤るのかというと、目の前で起きている事実を自分の都合のいいように解釈してしまうからです。

本人に悪気があってやっているわけではありません。情報を都合よく受け止めるのは、人間にもともと備わっている心の防衛機制の1つであり、誰でも多かれ少なかれ、そうしたバイアスを持っています。

自分の中にあるバイアスの影響を最小限に抑えるには、今日を起きたことを紙に書いて、いったん自分の外に出すことが有効です。

目に見えるかたちにして自分から切り離すと、今日起きたことを客観的に観察できます。その結果、頭の中では「そうに違いない」と思い込んでいたことも、「ひょっとすると勘違いかも」と冷静な判断を下せるようになります。

ラブレターは書いたその日に出すのではく、一晩置いて読み返してから出せといわれます。書いているときは自分の気持ちを示すことで精いっぱいですが、あとで自分の書いたものを読み直すと真顔では言えない恥ずかしいことを書いたりしているからです。

思い込みとは異なりますが、文字にしてから観察すると冷静になれるという意味では、これも同じですよね。

問題点をはっきりさせるには客観的な分析が必要であり、客観的な分析には紙に書くことが効果的です。

頭の中で考えたほうが簡単そうに思えても、あえて紙に書いて可視化してみる。それが、解決のための原則なのです。

中司祉岐(なかづか・よしき)
株式会社日報ステーション代表取締役。経営日報の“赤ペン指導”で売り上げを倍増させる日報コンサルタント。クライアントからは、FC、特定ブランドで売り上げ日本一を多数輩出している。高校卒業後、零細飲食店に入社。集客を担当し来店者数10倍、客単価2倍を実現。その後、勤務した大手アパレルチェーンでは、販売員として全国トップテンに入る業績を上げる。その営業・販売の実績を買われ、零細企業の創業、事業立て直し支援事業に従事。そこで中小零細企業こそ少しの工夫で成果が出せると気づき、株式会社ビジフォーム(現・株式会社日報ステーション)を設立。著書に『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づく なかづか日報』(経済界)、『小さなひらめきが成果に変わる A4マイ日報で「勝ちパターン」仕事術』(幻冬舎ルネッサンス)がある。
※日報ステーション http://nippo-st.com/