問題に対して解決策を考える場合、毎日、継続して紙に書き出して振り返ることは、圧倒的に効果があります。
ある問題を解決するために、1週間に1回、50分間考えるケースと、毎日7分間ずつ7日間考えるケースを比べてみましょう。
考えた時間の長さとアイデアのレベルが比例するなら、7日後にはどちらも同じレベルの解決策が浮かび上がってくるはずです。しかし、実際は机上の計算どおりになりません。毎日、短時間でも同じ問題を考え続けたほうが、最終的には質の高いアイデアが生まれてきます。
理由は2つあります。
1つは、毎日同じ問題を考えることによって問題が脳に深く刻まれて、振り返っていない時間も脳が無意識のうちに答えを探してくれるからです。
たとえばあなたはお客の入らない美容室の集客担当者で、客数を増やす方法について頭を悩ませていたとします。まずは、紙に書き出して振り返りながら集客の方法を考えていくことになりますが、アイデアが浮かんでくるのは書き出している時間内にかぎりません。ゆっくりお風呂に入っているときや、翌日に同僚と話しているときに、ふとひらめくこともあるでしょう(じつは、美容室の集客に悩んでいるこの担当者とは、数年前の私のことです)。
「年の瀬に働いている人たちのために、年末年始に深夜営業をする」
「街で配るビラがすぐ捨てられないように、一見では読めない真っ黒なデザインにする」
「差別化を図るため、手紙ふうの文章重視の広告にして、カットやシャンプーなどへのこだわりをうったえた」
オーナーにこれらのアイデアを提案して年間1000人の新規顧客獲得に成功するのですが、これらのアイデアの多くは紙に書き出して振り返っている時間内ではなく、日常の生活の中で浮かんできました。
集中して考えているわけではないのに、なぜ突然、解決策が降りてくるのか。