世界中で大ヒットしたビジネス書『7つの習慣』の著者スティーブン・コヴィー博士の理論をベースにフランクリン・コヴィー社が、“卓越した生産性”の実現に特化した新メソッドを開発。あなたの人生を左右する「選択の瞬間」とは──。

第3の選択――「『大きな石』からスケジュールする」

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時間管理のマトリックス

いくつかの大きな石と山ほどの小石、そして小振りのバケツを用意する。大きな石は重要な仕事、小石はあまり重要ではないすべての雑事。バケツは使用できる時間の量を表している。

あなたならどうやってバケツに石を詰めていくだろうか。たいていの人は最初に小石を入れ、後から大きな石を入れようとする。つまり、大きな石(重要な仕事)に取りかかる前に小さな石(雑事)を片付けようというわけだ。

だが、先に小さな石を詰め込むと重大な問題が発生する。大きな石を入れようとしたときには、もう入れるスペースがなくなっているのだ。要するに、重要な仕事に取り組む時間がない。かくして本当に重要な仕事は重要度の低い仕事の後回しにされ、そのまま放置されてしまうのが常となる。これは緊急軸に振り回される生き方の縮図である。

私たちが卓越した生産性を目指し、第2領域で活動するためには大小の石を入れる順番を変えなければならない。5年前、10年前から第2領域の大きな石を先にスケジューリングしていたら、今頃どうなっていたかを想像してみてほしい。

たとえば語学学習。英語を仕事で使えるようになる必要性を痛感しており、それが可能になったときのリターンがいかに大きいかを認識していながらも、勉強してこなかったという人が大多数だろう。もし5年前、10年前から英語力を身につけるという大きな石から先にスケジューリングしていたら、今頃自分のキャリアはどうなっていたか。したがって、まず私たちは大きな石をスケジューリングし、小石に飛びつかないように心がける必要がある。

こう説明すると「自分は大きな石から先にスケジューリングしている」と思う人がいるかもしれない。ただ、その大きな石に見えたものをよく見直してみると、第2領域ではなく「緊急、かつ重要」な第1領域の石だけであることが多いのだ。