もちろん、第1領域の仕事はきちんとスケジューリングする必要がある。「緊急、かつ重要」なのだから。もし週末に非常に重要な会議があるのなら、それまでのどこかで資料作りに費やす時間を確保しなければならないのは当然だ。

しかし私たちが指摘したいのは、その手のことばかりに時間とエネルギーを注ぎ込んで、すぐに結果は出ないが本当に大切な仕事は何も手つかずになっていないだろうか、ということである。

実のところ、第1領域の仕事のスケジューリングについては大して心配する必要はない。必ず誰かが「これお願い」と持ってきたり「あれ、どうなっている?」と注意してくれるからである。しかし、「緊急ではないが重要」な第2領域の仕事に関しては、着手していなくても注意してくれる人は誰もいない。「将来を考えて人脈を広げる活動をしたいが、今は週末の会議のために資料を作らなきゃいけない」と思いつつ、いつの間にか5年、10年と時間は過ぎていくのだ。

「結果に最もインパクトを与えるもの」は何か

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STEP1 マスタータスクリストをつくる

大きな石からスケジューリングする手順を説明しよう。

最初に「マスタータスクリスト」を作成する。次の週になすべき用事やアポイントメント、電話などすべてのタスクを書き出し、第2領域の役割と目標の達成に役立つと思われるものに印をつけていく。作成したマスタータスクリストはノートやパソコン等に保存し、定期的に見直せる状態にしておく。

マスタータスクリストを作成したら、週の初めに1週間単位でスケジュールのプランニングを行う。(第2の選択で作成した)第2領域の役割と目標を確認し、次のように自問する。

「今週、この役割を果たすために、最も効果的な行動を1つか2つ取るとしたら何だろう?」

この問いへの答えが、その週に入れるべき大きな石である。ここで注意すべきは、第2領域の役割と関連のあるテーマというだけでは、決して大きな石とはいえないということである。あくまで第2領域の役割と目的を実現するにあたって「最もインパクトを与えるもの」という視点から考えなければいけない。