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STEP2 最も重要な活動(大きな石)からスケジュールを組む

たとえば、自分の役割を「ビジネスの触媒役」と定めたマーケティングディレクターのある週の大きな石は、「SNSの勉強会に参加する」「調査結果に基づいて提案書を作成する」であった。前者は人脈の構築であり、後者は他の誰かから依頼されたわけではないが、実現すれば大きな成果を生み出す可能性を秘めた仕事である。

大きな石が何かを明らかにしたら、それらを予定表に割り当てていく。そのうえで、大きな石以外のものを整理し、状況に応じてスケジューリングしていく。

1週間のプランニングを行うには静かな場所を確保し、30分ほどかけよう。第2領域の役割と目標を見直し、重要な活動に焦点を当てるという高次の思考のためには、雑音を遮断したほうがよい。単にタスクをリストアップして、終わったものに線を引いていくという反応的な活動とは違うのだ。

週単位のプランニングに加え、日単位のプランニングも必要である。毎日10分を確保し、静かな場所で1日を振り返ろう。その日に得られた知見や決定事項等を記録し、達成項目をチェックしたら、翌日にやらなければならないことを明確にする。ここでもまず大きな石を優先し、その後に、残りのタスクをスケジューリングする。計画は現実的に立て、すでに予定が詰まっている日に無理をしてはいけない。

「選択の瞬間」にすべきこと

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STEP3 30/10ルールを守る

第2領域の役割と目標を実現するには、毎週30分、毎日10分のプランニングは欠かせない。これを「30/10ルール」と呼ぶ。役割と目標を繰り返し確認していくと、すべての仕事が重要な目標につながっている感覚が生じ、卓越した成果を挙げる可能性が高まるはずだ。

ただ、自分がそうしても次々にメールや電話、依頼や呼び出しが舞い込む状況は変わらない。いずれも「第2領域に留まる」という決意が試される瞬間である。

選択の瞬間には1度立ち止まり、その仕事の重要性を明確にして、どう対応すべきか判断しなければならない。判断基準となるのは「その仕事がどれだけのリターンを生むのか」という視点である。