世界中で大ヒットしたビジネス書『7つの習慣』の著者スティーブン・コヴィー博士の理論をベースにフランクリン・コヴィー社が、“卓越した生産性”の実現に特化した新メソッドを開発。あなたの人生を左右する「選択の瞬間」とは──。

第2の選択――「卓越パラダイム」

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時間管理のマトリックス

人は誰もが大きな物事を成し遂げる潜在的な能力を秘めている。卓越を目指すのか、それとも平凡で満足するのか。「私はごく平凡な人間で、卓越した能力など持っていない」という人がいるかもしれない。だが私たちは誰でも、それぞれの影響圏で重要な「役割」を担っている。公私ともに生活の向上を図るためには、漠然と卓越を目指すのではなく、「自分にとって重要な役割」を明確にすることが大切になってくる。また、第1の選択(http://president.jp/articles/-/11657)で述べた「緊急ではないが重要」な第2領域の活動は何であるかも、自分の役割を見直すことでわかってくる。

ここでいう「役割」とは、夫や妻、取締役やマーケティングディレクターといった性別や地位、職種で決まる平凡な役割のことではない。自分にとって根本的に重要な価値観を実現するために、そして、自分自身や周囲の人にどんな影響を及ぼすかという視点をふまえて「変革した役割」である。

たとえば、夫であれば「妻の最愛のパートナー」、取締役であれば「企業の変革者」、マーケティングディレクターであれば「ビジネスの触媒役」といった具合だ。自分が持つ役割をひとつひとつ、第2領域と照らし合わせて定義し直していくのだ。このように変革した役割を私たちは「第2領域の役割」と呼んでいる。

自分の役割にパラダイムシフトが起こると、生み出す成果を卓越した水準に飛躍させることができる。例を挙げよう。

ある求人広告会社の営業マンは「1枠月30万円の広告スペースを売る仕事」に従事していた。成績は芳しくなく、いつ首になってもおかしくない状態だった。思い悩んだ彼が先輩に相談したところ、こんな問いを投げかけられた。

「俺たちは何のためにこの仕事をやっているんだ?」

先輩と議論し、自分でも必死で考えるなかで、彼が出した結論はこうだった。

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