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図3

以上の3つが定まったら、「私は○○(変革した役割名)として△△(卓越した成果)を実現します。そのために□□(具体的な活動)を約束します」という宣言文に落とし込む(図3)。たとえば、ある企業のマーケティングディレクターは次のような宣言文を作成した。

「私はビジネスの触媒役として、若い新たな世代を魅了するブランドをつくり出します。そのためにソーシャルメディアなどを利用して、革新的な製品を精力的に流通させることを約束します」

新しい役割を宣言し成功のビジョンを明確にしたら、具体的な「第2領域の目標」を定める。それは、いつまでに現状からどのような状態に変えるのか、具体的に示されていなければならない。

「第3四半期までにソーシャルメディアキャンペーンをスタートさせ、そこから1億円の収益を生み出す」「12月31日までに体重を80キロから70キロに減らす」、もう少し暗黙的に「今四半期、週に5件以上の優良見込み客をつくる」といった形で目標を示してもよい。

ここで注意すべきは、あくまで自分自身で定めた第2領域の役割に基づいて、自分の言葉で作成することである。上司の受け売りを宣言や目標にしたところで、本気になって取り組むことはできない。

また、人の役割と目標は時とともに変化する。ひと口に「親の役割」と言っても子供が生まれたばかりのときと、社会へ巣立った後とでは、ずいぶん変わるだろう。役割が変われば目標も当然変わる。したがって、変革した役割、宣言、目標の設定は定期的に見直す必要がある。

(※図版は、取材をもとに編集部作成。)

スティーブン・R・コヴィー
1932年、米国ユタ州生まれ。作家、経営コンサルタント。世界78カ国でリーダーシップやマネジメント教育などを手がけるフランクリン・コヴィー・グループの創始者の1人。著書は『7つの習慣』『第3の案』など。
■フランクリン・コヴィー キングベアー出版
http://www.franklincovey.co.jp/books/
(構成=宮内 健 撮影=若杉憲司)
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