次は「福祉・介護施設」「医療機関」が狙われる
つまり、個人情報は単なるデータではなく、次の行動を決定するための戦略資源なのです。
こうした動きは、単なる偶然ではありません。スパイや外国資本が注目するのは、「今すぐ儲かるもの」だけではなく、将来的に確実に需要が増える領域です。
日本はすでに超高齢社会に入っています。今後、火葬場の需要が減ることはありません。むしろ増え続けることが予想されています。このような領域を押さえることは、長期的に見て非常に合理的な判断です。
同じ文脈で考えると、次に狙われる対象も見えてきます。高齢者向けの福祉施設、介護施設、そして医療機関です。
これらはいずれも地域に密着し、利用が不可避であり、しかも大量の個人情報が集まるという共通点を持っています。一度押さえられれば、その影響は単なる施設運営にとどまらず、周辺の土地や権利にまで及ぶ可能性があります。
交渉の場面においても、通常であれば成立しないような条件が通りやすくなる。これもまた、インフラを握ることの意味です。
「パンダ」で揺さぶりをかけてくる中国
中国との関係を見ていると、近年、特に感じるのは、「使える手札は何でも使う」という姿勢が非常にはっきりしてきたことです。
その象徴の1つが、いわゆるパンダ外交です。もともとパンダは、日中国交正常化の象徴として日本に来ました。最初は贈与という形で、その後はレンタルの仕組みに変わりましたが、日本国民にとっては長年、日中友好の象徴のような存在であり続けてきたわけです。
ところがみなさんご存じのように、近年はこのパンダが明らかに政治の道具として使われるようになりました。
過去にも日中関係が悪化した時期は何度もあり、日本製品の不買運動が起きたこともありましたし、摩擦はずっと存在していた。
しかし、それでも歴代の中国指導者は、パンダそのものを露骨に政治カードとして使うことはあまりしなかった。それを、今はやっているのです。
契約満了を待たずに引き揚げる。あるいは、「関係が悪くなれば当然こうなる」という空気をつくる。これは単に動物の貸し借りの話ではありません。
相手国の国民感情に影響を与え、揺さぶりをかけるための手段として使っているわけです。

