「死ぬまで働かされる社畜」ではない

そして、働けるなら働き続けたいとする意向もまた強い。どうやら、現役世代が思うような「死ぬまで働かされる」という社畜イメージと遠い世界が、今の高齢労働市場にはある。

65歳以降の働き方においては、正社員比率が下がることは確かだ。役員や自営業者を除くと(つまり被雇用者だけを見ると)、正社員比率は23.2%に下がり、パートやアルバイトとして働く人が52.7%と、半数以上を占めるようになる。

65歳までの「リタイア・シフト」は「給料は下がらずに働き続けられるようになる」。しかし、60歳代後半以降の「リタイア・シフト」は「給料が下がるが、勤務時間の自由度が高まり、働きがいを感じられる」、そんな働き方になるのかもしれない。

しかもこちらは、すでに現実化している。

勤勉なイメージのドイツすら日本の半分以下

国の年金が満額もらえるというのに、65歳以降もこれだけ多くの人が働くのは、世界的に見ると奇妙な現象だ。

65歳以上人口の就業率を比較したOECDの資料を見ると、フランス4.3%、イタリア5.5%、ドイツ9.3%という低い数字が並ぶ。日本の25%超という数字と比べて、なんと1ケタ以下、10%にも満たないというのは驚きだ。

フランスやイタリアの高齢者が65歳でリタイアしての悠々自適の生活を望むというのはなんとなくイメージできる。しかし、日本人に近い勤勉のイメージがあるドイツですら、日本ほど高くはない(それでもフランス、イタリアよりは高い)。

男性はホームオフィスの机でデザインのアイデアをスケッチしています
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日本人より健康寿命が短いから高齢期は働かない、ともいえない。いずれの国も日本より健康寿命が短いとはいえ、これだけ就業率に差がつくほどではない。やはり日本の高齢者の就労意欲は高いのだろう。

とはいえ、これらの諸国は、今後年金受給開始年齢を65歳以上に引き上げていくので、さすがに60歳代後半の就業率は高まっていくだろう。