病気が見つかったら困るため健診は行かない

「年初に左の上腕から肩にかけて痛みが出まして。1カ月我慢したけど良くならないので整形外科医院へ行ったんです。そしたら肩関節周囲炎という診断だった。湿布と飲み薬を出してもらい、痛み止めの注射を3回打ったら楽になった。2カ月通って次の月の診察予約も取ったのだけど、自分でもう大丈夫だと判断して通うのを止めちゃった」

いまも左腕を真っ直ぐ上に上げようとすると少し痛いが、それ以外は普通にできているので問題ないと思っている。

「区役所から特定健康診査の案内が送られてくるが行ったのは3年前が最後。そのときはコレステロールの値が上限ギリギリだったけど、血圧は正常だったし糖尿もなかった。今もコレステロール値は高いと思うけど、特に不具合はないからほっといている。健診に行って何か問題が出たら困るんだよ」

年に2回定期的に通っているのは歯科クリニック。口腔内チェックとホワイトニングはやってもらっている。初期虫歯なら治療費はそれほどかからないが、進行して差し歯や入れ歯を作ることになったら費用がかさむ。それは避けたいからだ。

現代の歯科医院
写真=iStock.com/aywan88
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「特に趣味なんてないし近所付き合いもない。親しい友人もゼロ。だから遊びのお金や交際費的な出費はほとんどない」

だけど地域活動に関わるお金は出さなければならないことがある。

300円の徴収にさえ怒りが湧いてしまう

「ここら辺は9月の第3週の土日にお祭りがあるんですが、300円の寄付を求められる。子ども神輿みこしを担いだ子や山車だしいた子に配るお菓子代だというわけですが、何で赤の他人の子どもの菓子代をせびられるんだと腹が立つ」

増田明利『今日、年金暮らしになった』(彩図社)
増田明利『今日、年金暮らしになった』(彩図社)

年末になると歳末助け合い運動で1世帯300円徴収される。任意のはずなのに半ば強制で金額まで決められているのは納得できない。

「たかが数百円でも、わたしには大金だよ。300円あればレトルトのカレーが3つ買える。そう思うと出すのは嫌だ。アパートに住んでいる若いのには『払わねえ、帰れ!』と追い返すのがいるし、近所には町会に入っていない人も数人いる。正直なところ、わたしも町会は脱退したいんです。特にメリットを感じないもの。市報は出張所に行けばくれるし、掲示板に諸々の情報が貼り出される。そもそも親しい人なんていないんだからさ」

高齢者になって経済的に恵まれていないと惨めなもの。年金保険料の未納があったとか、酒や博打で散財したというわけじゃないのに、こんな老後になるとは予想していなかった。

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