「正しい姿勢」とは一体どんなものなのか。国内外で合気道の指導を行う合気道家・藤平信一さんは「正しく自然な姿勢でいると、大地に根を張ったように体が安定する。自身の持てる力を最大限に引き出せるし、『足先』の機能低下も防ぐことができる」という――。

※本稿は、藤平信一『力を抜く練習 動じない自分の養い方』(幻冬舎)の一部を抜粋・再編集したものです。

姿勢が良い人、姿勢が悪く背中が丸まっている人
写真=iStock.com/Bogdan Malizkiy
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正しい姿勢は「気をつけ」ではない

本来あるべき「自然な姿勢」について、具体的に見ていきましょう。

「正しい姿勢で立ってください」と言われると、多くの方は、学校で習った「気をつけ」の姿勢を思い浮かべるのではないでしょうか。「背筋をピンと伸ばして」「胸を張って、あごを引いて」といった先生の言葉が記憶にあるかもしれません。

しかし、この「気をつけ」は、決して自然な姿勢とは言えません。実際に体験してみると、その理由が分かります。

一度「気をつけ」の姿勢で立ってみてください。背筋を伸ばして胸を張った瞬間に、体にこわばりを感じませんか? 特に胸のあたりに窮屈さを覚え、心が上ずってしまうような感覚があるはずです。

この状態は体が緊張し続けているため、維持することは大変で、すぐに疲労してしまいます。一見、しっかり立っているようでも、実は非常に不安定な姿勢なのです。

この事実を客観的に確かめる方法があります。心身統一合無道では、これを「氣のテスト」と呼んでいます。実際にやってみましょう。

氣のテスト①「不安定な姿勢を確かめる」

姿勢の「確認を受ける人」と「確認をする人」の2人で行います。

1.確認を受ける人(Xさん)は、「気をつけ」の姿勢で立ちます。背筋をしっかりと伸ばし、胸を張って、あごを引き、手の指先は真っ直ぐ伸ばして体の横につけます。脚もピンと伸ばして両足のかかとを合わせます。

2.確認をする人(Yさん)は、Xさんの体の中心(胸の上部のあたり)に手のひらを置き、相手に対して真っ直ぐ静かに押してみます。このとき、Xさんは無理に抵抗せず、そのまま立っていてください。