王者BYDは利益が半減

2025年のトヨタの営業利益率は9.1%、ゼネラルモーターズ(GM)は6.86%だった。フォルクスワーゲンやBMW、メルセデスも0.2〜6.5%とばらつきはあるが、中国の業界平均4.1%は、これら世界の主要メーカーと比べて決して高い数字ではない。

2026年に入っても歯止めはかかっていない。CPCAの崔東樹事務局長が示したデータをガスグー・オートニュースが報じている。1〜3月の業界利益は前年同期比18%減の784億元(約1兆8700億円)に落ち込み、利益率は3.2%。生産台数も715万台と、前年から6%減っている。

1台あたりの収支はさらに厳しい。平均売上高である33万7000元(約803万円)に対し、コストは29万9000元(約712万円)を投じている。税負担(1台あたり2万7000元)を差し引いた粗利益はわずか1万1000元(約26万2000円)にとどまる。前年比13.2%の減少だ。

国内の他産業と比べれば、最終製品を手がける下流製造業の平均利益率は約6%を確保している。自動車産業の3.2%は、その半分にすぎない。

厳しい状況の中、「決勝戦」で優位に立つ王者さえ無傷ではいられない。テスラを追い抜き、EV世界販売トップに立ったBYD。だがその2026年第1四半期決算は、決して芳しいものではなかった。

最も大きな痛手として、利益が半減した。CnEVPostによると、株主帰属純利益は40億9000万元(約974億円)で、前年同期比55%減。売上高も1502億3000万元(約3兆5800億円)と約12%落ち込んだ。

深圳にあるBYDの販売店
深圳にあるBYDの販売店(写真=EEYAUT Waihung/CC BY-SA 4.0/Wikimedia Commons

「過去最高の海外販売」に潜む危うさ

BYD自身も3月下旬の時点で、利益が圧迫された主因は国内の価格競争の激化にあると認めていた。年初からの季節的な需要低迷に加え、補助金などの支援策の縮小も重なり、各メーカーが値下げやキャンペーンでシェア争いを繰り広げていたためだ。世界トップの座に就いた矢先に、足元の中国市場が揺らぎ始めていたのだ。

さらに、為替でも追い打ちを受けた。為替差損が膨らんだ結果、資金調達費に当たる金融費用は、前年同期比210%増の21億元(約500億円)にまで跳ね上がっている。

販売台数の急落も課題だ。第1四半期の新エネルギー車(NEV=EVとPHEVの総称)販売台数は計70万463台で、前年同期比30%減。前四半期比ではほぼ半減という深刻な状況だ。

国内の不振はその後も続いている。同メディアが5月末に伝えたところでは、BYDの5月の中国国内における販売台数は22万2809台で前年同月比24%減。世界全体で見ても、1〜5月累計のNEV販売台数は140万5039台にとどまり、前年同期を20%下回った。

現在同社は、唯一の光明を海外に見いだしている。5月の海外販売は過去最高の16万644台を記録し、前年同月比80%増に急伸している。ただ裏を返せば、沈む国内市場を海外頼みで支える、危うい綱渡りの状態でもある。