焦点のボヤけた言葉を翻訳する方法

感情の言語化で鍛えた力は、ビジネスの現場でも役立ちます。

会議で、次のようなよく聞く言葉があります。

「状況が悪い」「雰囲気が微妙」「チームの士気が低い」

わかります。わかるのですが、それ、何も言っていないのと同じですよね。

「状況が悪い」は感情で言えば「なんかモヤモヤする」と同じレベルで、状態を伝えているだけでは、誰も動けません。状態には「主語」と「動き」がないからです。相手目線に立つと明確かと思います。

私も人のことは言えませんが、だからこそ対策を講じました。状態を次のように動詞に変換するのです。

「状況が悪い」→ 何が、どう悪くなったのか?
「雰囲気が微妙」→ 誰が、何をしたから微妙なのか?
「士気が低い」→ いつから、何がきっかけで低くなったのか?

これだけでビジネスの言語化力は一段上がります。

ビジネスチャートとグラフ画面を使用したビジネスマンの分析
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

「次」につながる3つの質問

フレームワークは驚くほど簡単。自分にたった3つの質問を投げるだけです。「誰が?」「何をした?/何が起きた?」「いつから?/どのくらい?」。主語、動詞、数字。この3点が揃った瞬間に、「状態」は「事実」に変わります。

【変換前】「売上が悪い」
【変換後】「今月の新規問い合わせが先月の半分になっている。SNSの投稿頻度が週5回から週1回に落ちた先月あたりから減り始めた」
【変換前】「最近チームの雰囲気が微妙」
【変換後】「先週の朝礼で田中さんと鈴木さんがお客様対応の方針で揉めて以来、2人が直接話さなくなった」
【変換前】「お客さんの反応が悪い」
【変換後】「先月の商談10件中、2回目のアポが取れたのは2件だけ。初回の提案時に、相手の課題を聞き切れずにこちらの説明を始めてしまっていた」

違いは歴然です。変換後は「じゃあ、次に何をするか」がすぐに議論できます。変換前は「で、どうする?」と聞いても、また「うーん、厳しいですね」で終わるのが目に見えていますよね。

状態を動詞に変えるとは、イメージ化すると「写真」を「動画」にすることです。止まっていた場面に動きが入ることで、原因と対策が見えてくるのです。