便秘比率トップの京都人
最後に紹介するデータは、江崎グリコが各県の100人に便秘かどうかを直接聞いた都道府県調査を行っている。2014年といささか古い調査だが、図表3にその結果を掲げた。
江崎グリコの調査では「あなたは便秘ですか?」という質問に対して「便秘だと思う」および「どちらかと言えば便秘だと思う」と回答した便秘比率1位は京都と富山で共に40%、次いで3位は徳島39%、4位は石川37%、5位は福井と熊本で共に36%となっている。
※上位県・下位県以外は「順位」のみが調査元から公表された
上位県は京都、富山を筆頭に関西や関西とつながりの深い北陸や四国の地域で占められている。大阪も7位となっている。もっとも奈良や兵庫は順位がかなり低いので関西だからといって便秘になりやすいとも簡単には言えない。
一方、便秘傾向の低い“快腸”1位は埼玉で21%、2位は福島と岐阜で共に23%、4位は静岡24%、5位は愛知と奈良で共に25%という結果になっていた。
トップ(40%)が最下位(21%)の約2倍というのはけっこうな差だと思われる。
なぜ、京都が便秘比率トップなのか。これは私の推測だが、「イケズ」にたどり着くと思う。この点を説明しよう。
好んでそうしている訳ではない京都人のイケズ
京都出身の民族学者・梅棹忠夫は、よその地域から京都大に赴任してきた大学教授がタバコ屋で「おい、タバコくれ」といったのにひどく驚いたと述べている。身分の上下は関係なく「すんまへんけど、タバコおくれやす」でなければ「京都人の市民原則」から完全にはずれるというのだ。「京都では、ことばのぞんざいさというのが、ひじょうにいやがられる。とくに相手から見くだしたいいかたをされたときには、どうしてそんないいかたをされなければならないのかと、ひらきなおってもよいわけである。身分感覚よりなにより、対等であるという市民意識が、京都のようなふるい都市の根底には、つよくながれている」(『梅棹忠夫の京都案内』角川ソフィア文庫)。
京都では「なにごとも、オブラートでつつんで、やわらかく、まわりくどくいわなければならない」。例えば、家の中でふすまやドアを開けっ放しにしたままの状態を諭すため「誰かこのあとから来はるの?」と言うような京都人の遠回し表現は、対等の相手に敬意を払うため、ずけずけと指摘することを避けているためだと考えられる。
ところが、これを逆にいじわるや、場合によっては外面とは裏腹の排他性ととらえ、京都人は「いけず」だと非難されることもある。
ちなみに、当連載の3月には「苦手の都道府県」の筆頭として京都が挙げられているという記事を掲載した。これも京都人のいじわるな婉曲表現がひとつの要因となっていると考えた。

