変動金利と固定金利の差は縮まっていく
ただし、ここで見落としてはいけないことがあります。それは、変動金利とフラット35では、金利の上昇にタイムラグがあるという点です。
フラット35は長期金利の影響を強く受けます。その長期金利は、将来の物価、日銀の利上げ、国債需給、海外金利などを「先取り」して動きます。
そのため、現在のフラット35の金利は、将来の利上げをすでに織り込んでいるとも言えます。
一方、変動金利は政策金利の引き上げから数カ月遅れて上昇します。つまり、フラット35の金利のほうが先に上がり、変動金利は後から追いかけて上がっていくわけです。
変動金利の上昇ペースは今後加速する可能性がある一方、フラット35の上昇ペースは鈍っていく可能性があります。
前述したように、今回の日銀会合で2027年4月以降、「国債買い入れ額の減額」の停止が決まりましたが、これにより長期金利の上昇に歯止めがかかってくることも考えると、フラット35の金利上昇ペースはさらに鈍化していく可能性が高いでしょう。
日銀が利上げを始めた段階の今は、フラット35のほうが高く見え、変動金利のほう低く見えるフェーズということです。
現在の両者の金利差2%超は、いずれ縮まっていく可能性が高いと考えられます。
「金利差1.25%以下」ならフラット35がお得に
これから住宅ローンを借りようと思っている人にとって重要な点は、現在の金利差を見て、「住宅ローンは変動金利一択」と判断するのは早計だということです。
今後の金利差の動きによって、選ぶべき選択肢が変わってくる可能性があるからです。
先に述べたように、政策金利1%の現時点では、変動金利が1.2%前後なのに対し、フラット35金利は3.21%で、金利差は2%超です。
現状、固定金利には安心感がありますが、変動金利より割高になってきます。
しかし、変動金利が2%前後、フラット35が3%台前半で踏みとどまった場合、金利差は1%前後まで縮まります。
さらに1%を切ってくると、フラット35の見え方が大きく変わります。
さきほどのシミュレーションを7月の「金利差1.25%」で再計算してみましょう。ここでは、変動金利は少し高めを予想しているネット銀行系とし、フラット35はSBIアルヒの保証型とし、子育てプラス8ポイントで、団信不加入として比較を具体的な金額で見てみます。

