トラブルの裏に「真の問題」を見つける

……それでは解説していきましょう。まずこの4つの案件のうち、どれから先に手をつけるか、優先順位を決める判断基準となるのが、図1の「優先順位実行マトリックス」です。

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図1 優先順位実行マトリックス

案件1は、緊急度も重要度も高いため、Aの領域に分類されます。案件2は、大至急対応する必要はありませんが、今後大きなリスクとなりうる重大なミスなので、緊急ではないが重要なBの領域。案件3は、今すぐ連絡すればどうにかなるかもしれない。多くの人が焦る案件ですが、冷静に考えると損害金額は小さいのでCの領域です。案件4は、小村さんが「急ぎで」と言っていますが、実は緊急度も重要度も低いDの領域。したがって、ここでは案件1、3、2、4の順で処理します。

このように優先順位をつけて行動することで、トラブル対応など、AやCの仕事に振り回されることが減り、Bの領域の仕事に集中できるようになります。また管理職は突発的な出来事にも対応しなければいけませんが、その余裕も残しておけるようになります。

次に個々の案件にどう対処すべきかですが、インバスケットには絶対的な正解はありません。山田君と吉村君ならおそらくこうするだろう、という例を見てみましょう。